2018年は、アメフトの危険タックル問題レスリングの栄監督を始めとして、多くのパワハラのニュースが報道されました。パワハラの問題は、今や他人事ではありません。

 パワハラの報道が注目を集めるに連れて、「パワハラが怖くて部下を叱ることができない」というビジネスリーダーが増えています。厚生労働省のパワハラ実態調査によると、「気になることがあっても部下に注意することを控えている」という回答が約15.2%にのぼります。

 もちろん違法なパワハラは許されないことです。しかし、部下のミスは企業にとってマイナスです。遅刻する社員に注意をしたり、やる気の無い部下を指導することは、ビジネスリーダーにとって必要な行為です。時には、厳しく叱責しなければいけない場面もあるでしょう。

 それでは、パワハラとして訴えられないために、どのような点に気を付けて部下を教育したらよいのでしょうか。法律的に「正しい」指導方法を紹介します。

 

パワハラの「加害者」にならない指導法とは

 パワハラにならない指導方法のポイントは、3点です。 1つ目は、短時間で具体的な原因と対策を説明することです。

 例えば、遅刻を注意する場合を考えてみましょう。まずは端的に、会社のルールを説明します。「あらかじめ遅刻が分かっている場合は半休を申請すること」「9時までに会社に到着すればよいのではなく、制服に着替えて窓口に座っておくことが必要である」等、その社員の状況に応じた具体的な改善策を伝えます。

 反対に、必要以上に長い時間をかけてだらだらと注意すると、パワハラに該当する可能性が高くなります。「何も分かってない」「そもそも態度がなっていない」という抽象的な表現をすると、注意時間が長くなるうえに、部下の人格否定につながります。

 2つ目は、… 続きを読む

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田中 靖子

田中 靖子

法律家ライター

東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、会社設立等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行っている。

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