2018.11.24 Sat

 ビジネスの世界で成功するためには、「実力」と「運」が重要になる。たとえ困難な状況にあっても、実力があれば打ち勝てる。もし実力がなかったとしても、運があれば切り抜けられる。

 しかし、人気のビジネス書「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』できまっている」(ふろむだ著、 ダイヤモンド社刊)によれば、こうした「実力」「運」よりも、相手を勘違いさせる「錯覚資産」の方が重要であるという。

 錯覚資産とは、本書によれば「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」のことを指す。自分に対する相手側の思い込みが、資産として機能するということだ。つまり、成功のためには、「実力がある」ということではなく、相手に「実力があると思い込ませる」ということが重要になる、ということになる。

 なぜ、本当に「実力」や「運」を持っていることよりも、相手にそれがあると錯覚させる錯覚資産の方が、成功に欠かせないのだろうか?

 

相手を錯覚させることは、自分の成長につながる

 錯覚資産の重要性について、本書では「実力タイプ」と「錯覚力タイプ」の2人の人物を例に説明している。「実力タイプ」は本当に実力があるが、錯覚資産がない。本当は凄い力の持ち主なのに、その人に力があるとは誰も思っていない人のことである。

 一方の「錯覚力タイプ」は、実力はないが、実力があるように見せかける能力がある。つまり、本当は実力がないのに、周囲の誰もが実力者であると思いこんでいるのである。

 この2人が並び立った時、会社組織では、実力タイプよりも錯覚力タイプの方が有能と認識する。なぜなら、実力タイプの実力は証明されていないからだ。そのため、錯覚力タイプは実力タイプより、良いポジションや成長のチャンスを手に入れられる。結果、たとえその時点で実力を持っていなかったとしても、より良いポジションや成長機会が与えられ、本当に実力をつけるチャンスが巡ってくる。仕事や役職が、錯覚力タイプの人の実力を育てるのだ。

 「錯覚力タイプ」の実力は伸び、そして錯覚資産はさらに大きくなる。このサイクルが繰り返されることにより、「錯覚力タイプ」は実力の面でも、「実力タイプ」を大きく引き離していく。

 本書では、決して「実力など必要ない」と主張しているわけではない。より高い実力を身につけるためには、錯覚資産をうまく利用した方が賢明ということなのだ。

 

確率が同じである以上、機会が多い方が勝つ

 それでは、運よりも錯覚資産が重要な理由は何なのだろうか。これについては、実力よりもっとシンプルに説明できる。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
https://www.facebook.com/mineeii

関連キーワード