働き方は「ロボット」で変える(第1回)

97%の企業が業務を5割削減、「RPA」の効果とは

2018.06.25 Mon連載バックナンバー

「業務効率化」はどの企業にとってもいつの時代も課題だが、ICTが進歩した現代において、業務効率化の手段は広がり、画期的な効果が見込めるようになった。

 RPAもそのひとつだ。RPAとはRobotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、パソコン上で人間が行う様々な事務処理を記憶し、人間に代わって実行するソフトウェアロボットのことを指す。RPAを活用した働き方改革の取り組みは、日本企業において急速な広がりを見せ、導入企業は業種・業界、企業規模を問わず拡大している。

 本コラムではRPAの基本的知識から、導入の具体的アプローチ、成功のポイントを先進事例も交えながら全3回で紹介する。

 

「人の働き方」を変えるRPAとは? 

 RPAは、ホワイトカラーの生産性を飛躍的に高め、業務効率化を実現するための技術、またその技術を利用した業務改革手法である。わかりやすく言うと、パソコン上で人間が行う様々な事務処理を記憶し、人間に代わって実行するソフトウェアロボット(以下、ロボット)である。

 このロボットは、人間が指定した作業を24時間365日、黙々と遂行する。ロボットなので「残業」という概念もない。正しい作業手順さえ指定すれば、間違いを起こすこともない。「働き方改革」の名の下に、厳しい残業規制を課されながらも滞りなく日常業務をこなすことが求められている現場にとって、ロボットほど最適な労働力はないだろう。

 もちろん、人間が行っている業務のすべてをロボットが覚え、実行できるわけではない。現段階のロボットは、あくまで人間が覚えさせた業務を、指示に従って遂行する補助的役割であり、「一定のルールが確立されている定型業務」や「大量データの取り扱いのため長時間かかる業務」において、正確性を発揮し、高速処理を実現する。

 大事なことは、ロボットを使いこなし、ロボットに任せられる仕事はすべてロボットに実行させ、人間は現状のビジネスの見直しや、新しい事業の種探し、人の心を動かすような交渉ごとなど、人間にしかできない高度な業務にシフトしていくという働き方に転換することだ。

 

業種・業界を問わずRPA導入企業は急増

 日本では、2016年頃から、産業界全体においてRPAの導入機運が高まった。アビームコンサルティングが日本RPA協会、RPAテクノロジーズ社と実施した独自調査によると、2017年の導入実績件数は458件、問合せ件数は6,468件にものぼる。

 導入企業の業種別では、「メーカー(製造業)」(35%)、「サービス業」(22%)、金融(16%)の3業種が全体の7割を占めている。

業種別データ

 導入部門については、経理・財務・総務・人事・システム部門などのバックオフィスが57%、営業・マーケティングなどのフロントオフィスが43%と、RPAが部門によらず導入されていることがわかる。

部門別導入実績データ

 RPAがなぜここまで日本企業にブームを巻き起こしているのか。それは、ロボットが持つ2つの技術に起因する。1つは… 続きを読む

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安部 慶喜

安部 慶喜

アビームコンサルティング株式会社
戦略ビジネスユニット 執行役員 プリンシパル

幅広い業種における経営管理、業務改革、PMI及び事業計画策定等での実績を有す。 特にRPA領域では、ABeamグローバルの専門チームの統括責任者として、100以上のクライアントでの1,000以上のロボット導入を指揮。主な著書『RPAの威力』(日経BP社)。

共著/面條真由(めんじょうまゆ)
アビームコンサルティング株式会社 戦略ビジネスユニット シニアコンサルタント。

日系商社にて中東アフリカ地域の市場調査及び、新規案件開拓業務に従事。アビームコンサルティング入社後は商社を中心に、SSC化、海外拠点の業務改善、PMI支援等、国内外で幅広いプロジェクトに参画。近年は日系企業の働き方改革に取組み、RPA導入を含む業務効率化を推進。

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