2月に発売された「生きている会社、死んでいる会社」(東洋経済新報社)というビジネス書が人気となっています。

 この本の著者は、欧州の経営コンサルティング会社「ローランド・ベルガー」の日本法人会長である遠藤功氏です。遠藤氏は本書にて、会社は生き続けることが重要なのにも関わらず、日本には「死んでいる会社」があまりにも多い、と指摘しています。

 遠藤氏が本書で触れている「生きている会社」「死んでいる会社」とは、どういう会社のことなのでしょうか。そして、生き続ける会社になるためには、何が必要になるのでしょうか。

 

生きている会社は「代謝」ができている

 本書における「死んでいる会社」とは、「利益がでていない会社」ということではありません。それよりも「利益や数字に振り回され、挑戦より“守り”、実践より“管理”、創造ではなく“停滞”を選んだ会社」こそが、「死んでいる」といいます。 

 逆に、「生きている会社」とは、「未来を切り拓く明確な意思があり、絶え間なく挑戦・実践・創造・代謝ができている会社」のことを指します。

「生きている会社」であり続けるために最も重要なのは“代謝”です。代謝とは、古いものと新しいものとが次々と入れ替わることを指します。遠藤氏は、一度、創造したものは、やがて陳腐で無価値なものに変わり、不要な老廃物になっていくと指摘しています。そのため、常に新しいものを創造し続ける「代謝」が最も重要になる、というわけです。

 

企業の老廃物は、捨てないとどんどん溜まっていく

 本書では生きている会社の例として、アマゾン・ドット・コムを挙げています。同社は創業以来22年で事業を70ほど立ち上げていますが、うち18を「失敗」と評し、あっさりと撤退させています。つまり、不採算事業は「老廃物」のひとつということです。

 企業の「老廃物」には、無意味な組織や挑戦をためらう経営陣のほか、旧態依然を良しとする従業員の「安住」思考、その思考の裏にある「傲慢」も、老廃物に該当します。特に後者は、会社の変革を阻害する点で非常にタチが悪いものです。

 しかも、こうした老廃物は、自動的にゴミとして捨てられるわけではありません。… 続きを読む

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石盛 丈博

石盛 丈博

ITC 代表

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