仕事が「圧倒的に」できる人と、それができないその他大勢の人との違いはどこにあるのか?その差は「問題を解く力」ではなく「問題を設定する力」、つまり「課題設定力」にあるということを、前回経営コンサルタントの安宅和人氏の著作『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』を元に紹介しました。
しかし、ひとくちに「課題設定力」と言われても、どのような課題を設定すれば良いのか、分からない人も多いでしょう。今回は、仕事に違いを生み出す“優れた課題”とは何か、どのように設定すれば良いのか? という点について、前回に引き続き同書から読み解きます。
その課題は、ビジネスを変える力があるのか?
本書では、仕事に違いを生み出す「優れた課題」について、3つの共通項があると述べています。その3つとは、「本質的な選択肢である」「深い仮説が立てられる」「答えを出せる」です。
1番目の「本質的な選択肢である」は、言い換えると「その選択肢は、そこから先の方向性に大きな影響を与えるものである」ということです。たとえば「ある商品の売上低迷」の理由を「商品力の無さ」とするか「販売方法の誤り」とするかは、その後の戦略を立てる上で大きな分岐点となります。逆にいえば、ビジネスへの影響が少ない選択肢は、優れた課題とはいえないことになります。
2番目の「深い仮説が立てられる」は、… 続きを読む