海外発!最新「働き方」事情2018(中国・大連)

中国で「コワーキングスペース」ビジネスが激化

2018.07.02 Mon連載バックナンバー

 アジアでは今、コワーキングスペース(いわゆるシェアオフィス、サテライトオフィス)ビジネスへの関心が高まっている。たとえば世界最大手のコワーキングスペースおよびサービスを提供する企業「WeWork」は、日本をはじめアジア展開を加速している。

 コワーキングスペースビジネスが特に熾烈なのが中国だ。WeWorkのような外資系だけでなく、現地のスタートアップも急成長しており、米中企業の競争が激化している。

 

大が小を飲み込む合併頻発

 ドイツの調査会社Statistaによると、世界のコワーキングスペースは2007年から2015年にかけて年間71%のペースで成長。2016年から2018年も年68%の成長が見込まれる。

 中でも中国のコワーキングスペースはこの数年、毎年30%前後のペースで成長しており、2030年にはオフィスの30%がコワーキングスペーススタイルになるとの予測もある。参入障壁が低く、高成長が確実な同業界では現在、4,000社以上がしのぎを削っているが、シェア自転車や配車サービスなどと同様、大が小を飲み込む動きも始まっている。

 業界を代表するのは、中国不動産大手「万科企業」の元幹部が2015年に創業したユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の企業)の「優客工場(UCOMMUNE)」と、南アフリカ共和国出身のホテル経営者が立ち上げた「裸心社(naked Hub)」だ

 優客工場は3月9日、同業の無界空間(Woo Space)との合併を発表。合併後の企業価値は110億元(約1,800億円)に達し、20万人の会員を有する中国最大のコワーキングスペース企業として、世界最大手のWoWorkを猛追する。

 優客工場は、2017年12月時点で、ロサンゼルス、ニューヨーク、シンガポールなど世界35都市の120か所でコワーキングスペースを運営している。セコイア・キャピタル・チャイナなど有力ベンチャーキャピタル(投資ファンド)が出資し、資金力を武器に規模拡大にまい進する。

 一方、裸心社は2015年末、上海に最初のコワーキングスペースをオープン。2018年3月時点時点で、上海16カ所、香港4カ所、北京に3カ所、そしてベトナムにも2カ所の施設を運営する。2017年7月末には、東南アジア6カ国、9都市41カ所でコワーキングスペースを展開するシンガポールの同業Just Coと合併したほか、今年に入ってオーストラリアの同業も買収、アジア最大手を目指している。

 

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浦上 早苗

浦上 早苗

海外書き人クラブ所属、中国経済ライター

1998年から2010年まで西日本新聞社記者。その後中国政府奨学金を受け博士留学(専門は経営学)。中国・大連の少数民族向け国立大学で教員。中国経済ニュース、米国経済ニュースの翻訳の他、中国経済関連記事を執筆。法政大学MBA兼任教員。

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