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睡眠不足なリーダーは、チームも部下もダメにする
2019.06.26

海外論文に学ぶビジネスのコツ第13回

睡眠不足なリーダーは、チームも部下もダメにする

著者 前野 智子

 理想的な睡眠時間は約8時間とも言われていますが、多くの社会人にとって毎日十分な睡眠時間を確保することは難しい課題です。

 睡眠不足が人の生産性や判断力に悪影響を及ぼすことは以前から論じられてきました。人は眠ることによって記憶を定着させ、感情を整理し、脳のエネルギーとなるグルコースを補給します。そのため睡眠不足状態に陥ると、自己制御が上手くできなくなり、判断力や創造性が低下するのです。

 ワシントン大学でマネジメントと睡眠についての研究を行うクリストファー・M・バーンズ准教授は、自身の研究論文において、特にリーダーの睡眠不足について警鐘を鳴らしています。Center for Creative Leadershipの調査によると、世界のリーダーたちの42%は夜間の睡眠時間が6時間以下と睡眠不足状態にあります。バーンズ氏は「リーダーが睡眠不足だと、本人のパフォーマンスが低下するだけでなく、部下や組織の成果にも悪影響を及ぼす」ことを明らかにしたのです。

 

睡眠不足のリーダーは部下と良い関係が築けない

 バーンズ氏らは40人のマネージャーとその直属の部下120人を対象に、睡眠時間と上司部下の関係性の状態を3か月に渡って調査しました。すると睡眠不足のマネージャーは、忍耐力が低く、苛立ちやすい傾向があり、部下との関係性も悪いことがわかりました。

 さらに別の調査では88人のリーダーとその部下に2週間毎日アンケートを取り、上司が睡眠不足だと、その翌日、部下に攻撃的な行動をとる確率が上がっていることを明らかにしました。同時に睡眠不足の上司にきつく当たられた部下は、仕事へのモチベーションが低くなるというアンケート結果となり、組織全体がリーダーの睡眠不足の悪影響を受けていることが判明したのです。

 もうひとつ別の角度からの実験では、睡眠不足になるとリーダーのカリスマ性も失われることがわかりました。

 実験の前日に、一方のグループには就寝時間を2時間遅らせるよう指示して睡眠不足にさせ、もう一方のグループには通常通りの睡眠を取らせました。その状態でリーダーの役割についてのスピーチを行わせ、第三者にカリスマ性を評価させると、睡眠不足のグループはカリスマ性が… 続きを読む… 続きを読む

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前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

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