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日本人は好奇心がリーダーシップに結びつかない。なぜ?
2019.05.24

海外論文に学ぶビジネスのコツ第12回

日本人は好奇心がリーダーシップに結びつかない。なぜ?

著者 前野 智子

 好奇心の強さとリーダーシップには強い関連性があることが、最近の研究結果で明らかになりました。この件については、本連載の第10回目でも解説しています。

 しかし例外的に、日本人は好奇心が強いにもかかわらず、優れたリーダーシップを身に着けることができていないといいます。なぜ日本人は、好奇心をリーダーシップに繋げられないのか、調査レポート“From Curious to Competent”から読み解きます。

 

基本的に、好奇心の強い人は、優れたリーダーになる資質がある

 リーダー層へのコンサルティングを手掛けるエゴンゼンダー社は、優れたリーダーがどんな潜在能力を持ち、どのように育つのか調査を行ってきました。同社に30年間蓄積されたデータを基に分析したところ、優れたリーダーになるかどうかを予測するのに一番適した潜在能力は「好奇心」であることが判明しました。ここでいう好奇心とは、新たな経験・知識の吸収への貪欲さや、変化を積極的に受け入れる姿勢などを指します。

 エゴンゼンダー社では、「リーダー力」を「成果志向」「戦略志向」「協働力」「統率力」「組織育成力」「変革力」「市場理解力」という7項目から評価して数値化し、好奇心の強さとの相関関係を分析しました。すると、好奇心が弱ければリーダー力も低く、好奇心が強い人はリーダー力も高いという傾向が明らかになりました。概して、並外れた好奇心を持つ人材は、経営幹部クラスのリーダーにまで到達する確率が高いといいます。

 

日本とイギリスは、好奇心の強さがリーダー力の高さに結びつかない

 しかしこの分析レポートでは、国によって好奇心とリーダー力の結びつき方が異なることも示されています。

 彼らがアメリカ、イギリス、ドイツ、日本、インド、ブラジルの6カ国で好奇心とリーダー力の相関状況を調べたところ、イギリスと日本以外の4カ国は似通った傾向になりました。ブラジル、ドイツ、インド、アメリカの順で、好奇心が強くなるほどリーダー力も高くなり、グラフにすると同じ直線上に位置しています。

 それに対しイギリスと日本は、上記の4カ国が示す直線グラフから、それぞれ反対方向に大きく外れています。

 イギリスは… 続きを読む… 続きを読む

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前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

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