2018.03.16 Fri
マーケティングのスタート地点としての『STP』
マーケティング戦略を立てるスタートとして、「誰に売るのか?」を決めることが重要です。この顧客を特定していくプロセスは『STP』と呼ばれています。
SとはSegmentation(セグメンテーション)、簡単にいえば市場を特定の条件で区切っていくことです。たとえば、年齢で区切れば、『10代から20代』『30代から40代』『50代以上』というグループ分けができます。また、性別で区切れば『男性』『女性』というグループになるでしょう。
続いてTはTargeting(ターゲティング)、すなわち特定の顧客グループにターゲットを絞るプロセスになります。先ほどセグメンテーションで、市場を細かくグループ分けしましたが、そのグループの中でどこにターゲットを絞るかを決定していくのです。たとえば、『10代から20代の女性』というグループをターゲットにすることもできるでしょう。
そして最後はP、Positioning(ポジショニング)を決定していきます。ポジショニングとは、自社製品の位置付けをはっきりと決めていくプロセスです。たとえば、同じアパレル業界でも、ユニクロは低価格でベーシックなファッションという位置取りをしていますし、シャネルは高級でファッショナブルなファッションという位置取りをしており、同じ業界でも位置取り次第でビジネスの特性は大きく変わってくることにつながっていくのです。
マーケティング戦略では、まずスタート地点としてこのような『STP』のプロセスで、自社のマーケティングコンセプトを固めることによって自社の持ち味を十分に発揮し、自然に売れる仕組みを構築していきます。
それでは、それぞれのプロセスをさらに詳しく掘り下げていくことにしましょう。
【S】セグメンテーションで市場を細分化する
大きな市場をいくつかの条件で細かくグループ分けしていくセグメンテーションは、代表的なものとして次の4つの条件で実施していくことができます。
(1)地理的な条件
地理的な条件では、「顧客がどのような場所にいるのか?」を軸に市場の細分化を行っていきます。たとえば、『関東や関西』『人口の多い地域や少ない地域』『暖かい地域や寒い地域』などといったグループ分けができるでしょう。
(2)人口動態条件… 続きを読む
連載記事
- 第1回 ビジネスの本質を理解し、目的と目標を明確化しよう2017.11.30 Thu
- 第2回 自社を取り巻く環境を徹底的に分析しよう2017.12.27 Wed
- 第3回 勝ちパターンに則った戦略を立てよう2018.01.20 Sat
- 第4回 マーケティングとは「自然に売れる仕組み」である2018.02.28 Wed
- 第5回 誰に売るのか?を決める「STP」のプロセスとは2018.03.16 Fri

安部 徹也
株式会社 MBA Solution 代表取締役
株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。
関連ジャンル記事
- プレゼンテーションの達人「プレ達」になる!(第3回)めざせ「プレ達!」プレゼンはメリハリ命2013.06.24 Mon
- 気まずい沈黙解消!とにかく会話が続く雑談入門(第3回)北海道に梅雨はない?天気雑学で会話を盛り上げる2013.11.20 Wed
- 経営者の身だしなみ(第2回)きちんと見える “スーツ” の選び方2012.11.09 Fri
- お酒の席で評価を上げる知恵(第6回)部下は意外に待っている?飲み会のスマートな誘い方2015.03.21 Sat
- ビジネスが自然と上手く回る人材は「人間性」が違う(第1回)運を逃がさないためには「争いごと」を避けるべし2017.07.21 Fri
ランキング
04月26日 集計- 前日ランキング
- 週間ランキング
- 2018.03.08
- サイトメンテナンス【終日】のお知らせ 2018年3月23日(金)
- 2018.02.07
- サイトメンテナンスのお知らせ 2018年2月9日(金)
- 2017.02.28
- 株式会社クレディセゾン 林野 宏 代表取締役社長のサイン入り書籍プレゼント