マーケティング戦略とは何か?
ビジネスに携わっている人であれば、少なくとも『マーケティング』という言葉をこれまで一度は耳にしたことはあるでしょう。それほどマーケティング戦略は、ビジネスを展開する企業にとって当たり前の戦略であり、好業績を上げるうえで欠かすことのできない要素になっているのです。
ところがマーケティング戦略を正しく理解している人は、ほんの一握りといっても過言ではないかもしれません。
たとえば、「マーケティングとはどんなものですか?」と質問すれば、「マーケティングって市場調査のことでしょう」や「マーケティングって芸能人を起用して自社製品をプロモーションすることじゃないんですか」などといった答えが返ってきます。
確かに市場調査やプロモーションはマーケティング戦略の一部といえますが、決して全体を表しているものではありません。恐らく市場調査やプロモーション活動などはマーケティングの中でも目立つために、それがあたかもマーケティング戦略全体のようなイメージを持たれているのでしょう。
端的にいえば、マーケティング戦略とは、市場調査やプロモーションなどを含めて多くのパーツを組み合わせて、『自然に売れる仕組みを作ること』といえます。
ここで絶対に勘違いしてはいけないのは、マーケティングとは『自社製品を売る仕組み』ではなく、『自然に売れる仕組み』であるということです。『売る仕組み』は『販売』と言い換えることもできますが、販売とマーケティングは言ってみれば真逆の関係にあるといっても過言ではないのです。
その販売とマーケティングの関係について、“経営の神様”と呼ばれたドラッカー教授はその著書『断絶の時代』で次のように述べています。
「販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。なんらかの販売は必要である。だが、マーケティングの理想は販売を不要にすることである」
つまり、販売とは企業側から「自社製品を買って下さい」とお願いし、企業のニーズを優先して満たす活動である一方、マーケティングとは顧客から「是非とも売って下さい」とお願いされ、顧客のニーズを優先的に満たす活動といえるのです。
なぜマーケティング戦略は重要なのか?
さて、マーケティング戦略とは簡単にいえば『自然に売れる仕組みを作ること』とお伝えしましたが、なぜマーケティング戦略はビジネスを成功に導くうえで重要な役割を果たすのでしょうか?
それは… 続きを読む