ビジネスは熱い想いだけで成功できない

 ビジネスのスタートは、自社の社会に貢献するという熱い想い(=ミッション)とそれを具体化した目標(=ビジョン)を明確化することと、第1回目にお伝えしました。つまり、ビジネスとはこのようなミッションやビジョンを成し遂げるための活動であり、結果として自社の進んでいる方向性の正しさを“利益という尺度で図っていく”ことになるのです。

 具体的にミッションやビジョンというビジネス活動の意義や目標が決まれば、続いて目標達成のための行動に移らなければいけません。ただ、ここで重要なことは、“すぐに行動しない”ということです。

 ビジネスは、熱い想いだけで目標を達成できるような甘いものではありません。やはり、「どうすれば目標を達成できるのか?」と、慎重に戦略を練ったうえで行動を起こすかどうかが成否の鍵を握ることになるのです。

 ビジネスの目標を『目的地』に例えれば、戦略とは『どのようにして目的地に到達するかを考えること』といえます。目的地に到達するためには、様々な移動手段があるのですから、その中から自分に適したものを選択しなければなりません。つまり、戦略とは簡単にいえば『目標を達成する方法を選択していくプロセス』ともいえるのです。

 たとえば、東京を目的地に大阪から出発するとしましょう。大阪から東京に移動するためには実に様々な交通手段があります。最も手軽なのは新幹線でしょう。また、時間を気にするのであれば飛行機が最も速いかもしれません。他にも時間に余裕があれば、在来線を乗り継ぐこともできるでしょう。お金に余裕がなければ、料金の安い深夜バスで東京に向かう方法もあります。他にも人数が多ければ、車で東京を目指すこともできるでしょう。

 このように目的地に向かう方法は数多く存在し、自分の置かれた状況に合わせて適切な交通手段を利用すればいいのです。

 この目標を達成する方法を選択するプロセス(=戦略)において重要になってくるのが、自社を取り巻く環境を詳細に把握することです。なぜなら、自社を取り巻く環境を把握することなしに最も適切な方法を決定することなどできないからです。

 たとえば、先ほどの東京へ向かう交通手段の決定の際にも、「自分がどのくらいの時間やお金をかけることができるのか?」や「東京に向かう人数は何人か?」、「飛行機や新幹線、バスの予約状況はどうなっているのか?」など、自分の置かれた状況をつぶさに把握したうえでなければ、適切な方法を決定することなどできません。

 つまり、戦略の成否は事前の環境分析にかかっているといっても決して過言ではないのです。昔から『敵を知り、己を知れば百戦して殆うからず』と言われるように、ビジネスに取り組む前に経済環境や顧客、ライバル企業、自社など自社を取り巻くすべての環境を知り尽くしていれば、必ず成功するビジネスに取り組むことも決して不可能ではないということなのです。

 

環境分析を効果的かつ効率的に行う秘訣とは?

 お伝えしたように、環境分析はビジネスの成否を分けるといっても決して大げさではないほどの重要なプロセスですが、多くの人が直面する問題も孕んでいます。

 その問題とは、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

関連キーワード

連載記事