「マーケティングの神様」に学ぶ(第1回)

コトラーが指摘、日本のマーケティングの問題点とは

2017.09.21 Thu連載バックナンバー

 「マーケティングの父」「マーケティングの神様」と世界で評されるフィリップ・コトラー氏。彼はこれまでマーケティングの現場で使われているさまざまなフレームワークを体系化してきましたが、80歳を超える今もなお、新たな概念を提唱し続けています。

 実はコトラー氏は、1982年に「世界最強のマーケター日本人」という論文を発表するほどの親日家。そんな日本ファンの彼が、今年3月、日本人のために「コトラーマーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか」というマーケティング書を刊行しました。

 コトラー氏は本書にて、日本人に向けてマーケティングの極意を語っています。本記事ではその一端を紹介します。

 

日本が歩んできたマーケティングの歴史

 本書ではまず、日本には時代背景に合わせて、マーケティングの概念を「マーケティング1.0/2.0/3.0/4.0」という4つのタームに分けて定義しています。

 コトラー氏はまず、戦後復興期からバブル期に突入する1980年頃までを、製品中心のマーケティング「マーケティング1.0」と定義しています。モノが不足していた戦後復興期は、売り手が強い立場にあり、良い製品を作れば売れ、大量生産・大量消費の傾向にありました。しかし、次第にモノが溢れて価格競争が始まり、企業はコスト・価格を積極的に下げるようになります。

 そして1980年代以降は情報化が進み、消費者が商品やサービスについて十分な情報を得られるようになりました。この時点で、消費者のモノに対するニーズはほぼ満たされており、製品やサービスの差別化が難しくなっていきます。この時代のマーケターの使命は「個々の消費者が真に何を求めているかにフォーカスすること」でした。これが、顧客中心のマーケティング「マーケティング2.0」です。

 その後、消費者はただモノを買うだけでは満足しなくなってきます。自分の価値を高める商品や価値を創造してくれる商品、社会貢献に寄与できる商品など「精神的充足感を満たすモノ」を求めるようになりました。これが、価値主導のマーケティング「マーケティング3.0」です。

 

「マーケティング4.0」の時代にプッシュ営業は不要

 そして、現在のマーケティングが、自己実現のマーケティング「マーケティング4.0」です。コトラー氏によれば、「欲しいものが欲しい時に手に入る」このマーケティング4.0の環境で生きている現代の日本人は、… 続きを読む

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見上すぐり

見上すぐり

株式会社ネクストアド所属ライター

B2B向けのデジタルマーケティング、IT関連の記事を専門とする。大手金融機関に勤務後、米国発のインバウンドマーケティングやデジタルマーケティングを導入したサービスで日系企業の海外進出のサポートにたずさわる。現在はインド在住。

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