マイクロソフトの「パワーポイント」は、プレゼンテーションのツールとして、ビジネスのさまざまなシーンで活用されています。多彩なテンプレートが用意されているため、資料が美しく装飾できたり、アニメーションを用いた印象的なプレゼンテーションにするといったことが、簡単にできる点が特徴です。

 しかし、アメリカの通販最大手「Amazon」(アマゾン)のCEOであるジェフ・ベゾス氏は、社内における「パワーポイントによるプレゼン」を禁止しています。2014年に発売された「ジェフ・ベゾス 果てしなき野望」(日経BP社刊、ブラッド・ストーン著、井口耕二訳)にて、以下のような記述があります。

 「アマゾンの文化は独特だ。会議で、パワーポイントやスライドによるプレゼンテーションは行われない。そのかわり、6ページの意見書で要点を説明する。クリティカルシンキングを育むには散文形式のほうがいいとベゾスが信じているからだ。新製品ならプレスリリース形式で文書を作る。つまり、その提案をどのような形で顧客に提示するのかを形にするわけだ。」

 実は、パワーポイントの使用を禁止している企業は、Amazonだけではありません。たとえば日本を代表する企業であるトヨタ自動車でも、社内向け資料にパワーポイントを使用することを禁じているといいます。

 便利なはずのパワーポイントが、なぜこうした企業で使用されなくなっているのでしょうか?

 

何故「パワーポイント」は禁止になったのか

 パワーポイントは、冒頭にて触れた通り、さまざまなデザインが可能で、見る人に強力なインパクトが与えられる点が特徴です。

 パワーポイントが素晴らしいツールであることは間違いないのですが、実はベゾス氏は、前述の書籍の中で、「そのこと自体が問題」と指摘しています。

 ベゾス氏が指摘するパワーポイントの問題点は、作業効率が悪い点です。凝った資料を作ろうとすれば、そのために相当な時間が求められます。また、パワーポイントで作成したスライド資料は、一見わかりやすいものの、簡素化され過ぎていたり、抽象化されて理解に時間がかかるなど、誤解を招く可能性もあります。

 さらにベゾス氏は、そもそもパワーポイントは社内会議の資料として適していない、としています。会社の中での打ち合わせは「答え」を出すことが本当の目的であり、特に幹部を集めた会議はコストがかかるため、そこで「答え」が出ないならば、その作業に関わった工程自体全てが無駄である、としています。

 つまり、社内資料にパワーポイントを使うと、資料作りが「答えを出すための作業」ではなく、「いかにきれいなプレゼン資料を作るか」にシフトしてしまい、時間の無駄になってしまう点を、ベゾス氏は懸念しているのです。

 

 

プレゼンテーションは「テキスト資料」で十分である

 それでは、社内資料でパワーポイントを使わないのであれば、何を使えば良いのでしょうか。ここで、トヨタにおける例を見てみましょう。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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