「営業に向いていない」という人ほど向いている?
「わたし、営業という仕事に向いてない気がするんです」という愚痴を、仕事柄、耳にすることがよくあります。
営業という仕事を一生懸命にやっているにも関わらず、思うように結果を出せない、そんなときに愚痴を言いたくなる気持ちはわかります。実際に、営業に向いていないという性格の人もいるでしょう。
しかし、「営業に向いている」という性格の人も、そんなに多くは無いと思います。
世の中のほとんどの人は、営業に向いていない部分と営業に向いている部分を併せ持っています。だからこそ、努力や工夫をして、少しでも得意になっていこうとしているはずです。自分の期待どおりに進まないからといって、「向いてない」と安易に逃げるのは、正解だとは思えません。
以前、ある営業の方からこんな愚痴を聞いたことがあります。
「私、顧客の嫌な表情に敏感なんですよ。すこしでも嫌そうな表情をされると、それに気付いてしまうんです。そうすると、これ以上、あれこれアピールしても逆効果だなと思えてきちゃいます。だから、そのまま言葉をにごして、なんとなく顧客を逃してしまうんです。でも本当は、顧客を逃しているのではなくて、自分が逃げたいだけなんです。私みたいな性格の人間は、セールスには向いてないのでしょうか」
私は、この人は営業に向いていない、とは思えません。むしろ、顧客の感情に敏感であるぶん、営業という仕事に向いていると思うぐらいです。
ではなぜ、営業向きの資質を持っている人が「営業に向いていない」と思ってしまうのでしょうか?
営業で嫌な顔をされるのは当たり前
「自分は営業に向いていない」と思う人は、顧客に対して、過度な期待をしているかもしれません。
たとえば営業中に、顧客をイライラさせてしまうこともあるかもしれませんが、これはある意味で「当たり前」です。… 続きを読む