若手の部下が仕事でミスをするのは、経験を積んでいくうえで、ある程度は仕方がないことです。ですが、いつまで経ってもミスし続け、経験から学ぼうとしないというのは問題です。
部下がミスをする原因や理由はさまざまですが、根底には共通項があります。そこに着眼した対処をすることで、ミスを防ぎ部下を成長させることができます。
「アイツならそれくらい分かってくれるだろう」の期待はしないこと
部下がミスする原因となりがちなのが、「上司側が事前の確認を怠っていること」です。業務内容や手順も大事ですが、根本としてそもそも部下が業務の意味や意義を理解していないと話になりません。
たとえば、上司の「アイツならそれくらい分かっているだろう」という確認不足も、ミスを招く原因の1つです。上司の期待に反して、部下はまるで分かっていないというケースが多々あります。上司にとっては当たり前のルーティンであっても、部下にとっては必ずしも当たり前ではないのです。
これは業務だけではなく、一般常識においても同じことが言えます。年代によって育った社会背景や環境が違うのですから、価値観や常識も違います。たとえば部下に対して「お客さまに対してはもっと丁寧に接するのが常識だ」、「そのくらい予見しておくのが社会人の常識」と指摘したとしても、部下は言われて初めて気づくことも多いはずです。
自分を中心にした“それくらい分かっているだろう”という前提は、部下の認識との間にズレを生じさせ、さまざまなビジネスシーンでミスを誘発する要因になるのです。
もう1つ、部下が上司に対して抱いている“怒られたくない”という気持ちもミスの原因となります。“怒られたくない”という意識が強いと、冷静な判断ができず、更に大きなミスに発展する可能性が高まります。
たとえば部下が、個人情報が記載された書類を誤送信するとします。もちろんこれは情報漏えいになりかねないため、上司が把握し、早めの初期対応を取ることが、事を重大なものにしないためには重要です。しかし、部下は怒られたくないために、上司に報告せず、ミスをごまかすこともあり得ます。この放置した情報漏えいが深刻な結果を招くと、もはや事態回避は不可能。会社は信用を失うだけではなく、莫大な損害を被る事態を招く恐れがあります。
ダメな部下ほど気にかけるべき
それでは、部下にミスをさせないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
最も重要なことは、… 続きを読む