アイドルながらも大物MCとしてテレビ界で確固たる地位を築いている人物といえば、元SMAPの中居正広さんです。歌やダンスというこれまでの男性アイドルのスタイルを大きく変えた、さきがけ的な存在とも言えます。
2017年に明治安田生命が新入社員に実施した「理想の上司アンケート」でもランクインしています。総合部門では8位、歌手・俳優部門では堂々の1位に輝いています。
しかし中居さんは、前年までの同アンケートでは、上位にランクインすることはありませんでした。ではなぜ、中居さんは新入社員に支持されたのでしょうか?
司会業を自然体でこなす裏に努力あり
理想の上司ランキングでは、選出理由として「頼もしい」「優しい」などのさまざまな項目がありますが、中居さんの場合、最も高かった項目が「実力がある」でした。
中居さんが「ザ・世界仰天ニュース」や「金スマ」、「ナカイの窓」といった番組で、飾り気のない自然な姿でMCを務める姿は、誰もが知るところです。1997年からは、年末の「紅白歌合戦」の司会を何度も務めるほどです。
中居さんは、こうした番組の司会を軽々とこなしているようにも見えますが、実はテレビ画面では見えない部分で努力をしています。芸能関連の書籍を数多く刊行する、社会学者の太田省一氏が執筆した「中居正広という生き方」という書籍には、「中居はああ見えて(失礼)、勉強家・努力家の一面がある。中居は手書きのノートをつけ、気になる言葉や文章などを記録している」という記述があります。
テレビの中でおどける中居さんの姿からは、にわかには想像しがたいですが、彼にとってはノートを用いて勉強することが日々の習慣となっており、世の中に様々な考え方があることを知るきっかけになっているといいます。太田氏は、中居さんがノートを取ることについて「自分の殻に閉じこもるためではない。逆である。むしろ周囲の世界に常にオープンであるためなのである」と分析しています。
また、紅白歌合戦の司会を務めるにあたって、台本のすべてを記憶し、時間調整のために、各出場者のメモも用意しておくと、自ら「ナカイの窓」にて語っています。
仕事に臨むためには準備を怠らず、かといってテレビ画面にはその苦労を見せず、自然に振る舞う。当たり前のことを当たり前にこなす中居さんの実力を、今の若手は見抜き、その力を認めているのです。
ベッキーの感情を引き出した「余計な一言」
中居さんは、MCとしての姿勢も極めて自然体です。NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル~仕事の流儀~」でSMAPの一員として出演した中居さんは、「プロフェッショナルとは?」の質問に対して「一流の素人、一流の二流、最高の二番手」と答えました。
「プロなのに素人?」「一流の二流とはどういうこと?」と不思議に思うかもしれませんが、テレビにおける中居さんの振る舞いの端々に、その姿勢を窺い知ることができます。
象徴的なのが、… 続きを読む