新卒の新入社員の教育に手を焼いている企業も多いかもしれませんが、少し前まで学生だった新人に、いきなり「成果」と「責任」を意識して仕事をするというケースは稀でしょう。成果や責任は、働きながら徐々に実感するものであり、上司が上から目線で「仕事とは云々」と部下に教えたとしても、理解するどころかやる気を失うはずです。
今回は新人教育で、仕事への取り組み、会社との関係を新人に意識させるときに注意すべき3つのポイントを紹介します。
否定の言葉が先行する指導では新人のやる気が落ちる
新人と呼ばれている期間は、できないことや失敗があっても仕方がないことです。そのために仕事への取り組み方や会社への帰属意識を理解する新人教育が必要となります。
しかし教育する側は通常業務を抱えながら、新人に接することも少なくありません。通常業務が忙しくなれば、新人教育にあてる時間が十分に取れなくなります。教える側に余裕がない状態では「それではダメ!」「何度言ったらわかるの?」「こうしなさい!」と、新人を否定するだけの言葉が先行する指導に終始しがちです。
否定されることが多くなれば、新人のモチベーションは下がる一方です。まずは新人のモチベーションを上げることが、新人教育では大切です。新人のいいところを見つけ出し、そこから言葉で評価するようにします。
たとえば「この仕事を行うときに注意した点は?」と質問し、答えに対して「それはいい心がけだね」というように評価します。初めによいところを評価されると、人はポジティブな気持ちになり、モチベーションが向上する傾向があります。新人は自分の良い点を評価してくれるという経験から「聞く姿勢」となり、次に教える側が改善すべき点を指摘しても、高いモチベーションで取り組むようになります。
このようにモチベーションが低くなる指導より、モチベーションが上がる指導のほうが、新人は意欲的に仕事へ取り組むようになり、改善によって自分が成長することを覚えるようになります。
新人が自分の仕事を「意味がない」と落胆していたら
自分が所属する会社を通して、世の中に貢献したいという考えを持っている新人は少なくないでしょう。しかし、その思いがゆえに、新人は「こんな意味のない仕事にはやる気が起きにくい」と、与えられた地味な仕事にうんざりしがちです。
しかし新人に任せられる仕事で、… 続きを読む