桜子が聞く!先駆者たちのワーク・ライフ・バランス(第21回)

元サラリーマンの渋谷区長・長谷部健の華麗なる転身

2017.12.08 Fri連載バックナンバー

 渋谷区が最近、変わり始めている。これは2年前に、新しく渋谷区長に就任した、45歳の長谷部健の発想力やアイディアによるものが大きい、と私は感じている。彼は渋谷区神宮前生まれで、地元で育った生粋の渋谷っ子だ。

 2015年、渋谷区は日本で初めて同性カップルに対してパートナーシップ証明の交付を開始した。これは元々長谷部が区議会議員(以下、区議)時代に発案したもので、可決された翌月、彼は区長に就任した。

 その後、新たに渋谷区基本構想を策定し、渋谷という街を、ロンドンやNYと並ぶ、成熟した魅力ある国際都市にすると発表。自治体にしては珍しく本構想を絵本冊子にし、YouTubeでムービー配信するなど、浸透を図ることに余念がない。これは長谷部が広告代理店出身という経歴によるのだろう。

 サラリーマンから政治家に転身し、区議を経て区長へ就任した長谷部は、野心家のようにも見える。実際、どんな人だろう。いち渋谷区民でもある私は興味を抱き、話を聞いた。

 

男性からたくさん声をかけられたアメリカでの経験

 取材場所の区長室に入ると、長谷部は忙しそうだった。以前、渋谷で開催された「田中宏和」という同性同名の人を全国から募るイベント場で見かけた旨を告げると、精悍な顔を向けて軽く笑った。少し気分がほぐれた。

 まずは、冒頭で触れた“日本初”の取り組みについて聞いた。

桜子「長谷部さんはパートナーシップ証明書の交付の立役者だとか。なぜこの制度を導入したのですか?」

長谷部「僕がLGBTを意識したのは20歳の時。初めてアメリカに行ったときに、ゲイの人たちからいっぱい声をかけられて、びっくりしたんですよ。今考えると、坊主頭で、スポーツもやっていてちょっと筋肉質なのが目立っていたのが理由だったのかもしれません」

桜子「へえ!」(ちょっと想像できる※桜子、心の声)

長谷部「正直なところ、その頃はエイズという言葉がメディアに取り上げられ始めた頃で、僕もちゃんとした知識がなかったから、恥ずかしながら怖いものだと思っていました。でも、初老の方とモヒカンのお兄さんがごく自然に手をつないで信号を渡っている。もう、全然、東京と違うと思ったんです。ところが、帰国したら『結構、自分の周りにもいるなぁ』と。急に(ゲイの人たちが)見えるようになったんですよ」

 実際、LGBTの人口は少なくない。2015年の電通調査では、LGBTは人口全体の7.6%とある。これは日本人の名字ベスト4(佐藤、鈴木、高橋、田中)の合計である約5%(700万人程度)よりも多い数字だ。

桜子「ちょっと嫌な問いですが、偏見はなかったですか?」… 続きを読む

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桜子

桜子

ライター

渋谷区在住。通信会社に勤務する傍ら、働く女子の立場からWebメディアのメルマガを書き始め、IT業界の著名人にインタビューを重ねて話題となる。その後、日経ウーマンやアスキー等での連載を経て、2011年、出産を機に育児に専念。2014年4月に職場復帰し、子育てと仕事の心地良いバランスを模索中。(VIVA!桜子の超気まま渋谷/代官山・子育て日記:http://sakurako.cc/friends)

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