コールセンターに電話をすると、なかなかオペレーターにつながらず、待ち続けてイライラした、という経験をお持ちの方も多いことでしょう。
コールセンターでは、入電があれば、CTIを通して順番にオペレーターに振り分けられていく仕組みになっています。人手が少ないと、電に対して対応するオペレーターの人数が足りないため、顧客側が待たされてしまうという状態になるのです。
人手不足が叫ばれる中、コールセンターで顧客を待たせずに即座に対応できるオペレーターをそろえることは簡単ではありません。しかし、自動応答システムなどのテクノロジーを導入することで、人手不足をカバーしながら効率的な顧客対応が可能になります。
なぜコールセンターには人が集まらない?
コールセンターにおけるオペレーター(アポインター)の求人は、求人情報サイトに毎日多数掲載されていますが、その求人の数が減ることは少なく、離職率が高い仕事のひとつとされています。
オペレーターの業務は、簡単ではありません。もちろん、応答マニュアルや、スクリプトと呼ばれるシナリオは用意されていますが、その通りに会話が運ばないことが多いです。中にはクレーマーと呼ばれる顧客も少なからず存在し、業務以外の対応を求められることもあるのです。
さらにオペレーターを悩ますのは、KPI(需要業績評価指数)と呼ばれる数字が高く設定されていることです。コールセンターでは、かかってきた電話や掛けた電話に対し、会話で対応するのはもちろん、会話した内容を入力する必要もあります。顧客との会話を終えた後にはCTIに会話内容や顧客の情報を入力していきますが、コール後の事後処理に時間がかかり、KPIを達成するのが難しくなります。
事後処理後も、休む間もなくすぐに次の電話が接続されるので、オペレーターは常に電話をしている状態になります。休憩時間も取れますが、カウントダウン形式で残りの休憩時間がパソコンの画面上に表示されるので、どの人がどのくらい休憩をとっているか、社員が把握できる状態になっています。休憩時間まで管理されて、精神的につらいと感じる人も少なくありません。
顧客からの質問に即座に対応できる知識が不可欠になるのもオペレーターにとってはつらいところです。技術的なことを問われても、顧客が満足できる回答を用意できず、待たせてしまったり、他部門に確認したりすることで、顧客にとってはたらい回しにされているという印象を持たれることもあるのです。
さらにコールセンターでは非正規雇用で働く人が多いのも、離職しやすい原因の1つと考えられます。オペレーターは、長く働いても正規雇用になれる見込みは少ないです。
このような理由から、人手不足に陥りやすく、常に有効求人倍率は高いのが、コールセンターの現状なのです。
人手に頼れないなら、IVRとAIの力に頼るべし
しかし、すべてのコールを人間が応答する必要はありません。テクノロジーの力を借りることで、オペレーターの負担は軽減できます。
たとえば「自動応答(IVR)」もその1つです。IVRは、… 続きを読む