2018.11.14 Wed

 書店には「○○をすればうまくいく!」といったようなタイトルのついた自己啓発本が多く見られる。しかし、その本の通りにやったにも関わらず、たいした成果が挙げられなかったり、むしろ失敗してしまった人は少なくないだろう。

 こうした「成功体験を追従したのに失敗してしまう」ことの理由について、科学的に切り込んだ人物がいる。人気の書籍「残酷すぎる成功法則 9割まちがえる『その常識』を科学する」の著者で、登録者数30万人を超える人気ブログ、『Barking up the wrong tree(まちがった木に向かって吠える)』を運営するエリック・バーカー氏だ。

 バーカー氏は、世にあふれる自己啓発本が成功に結びつかない理由を、どのように分析しているのか。そして、成功するために必要なものは何なのだろうか。

 

なぜ高校の主席は億万長者になれないのか

 成功者を真似しても成功できない理由のひとつ目は、「成功者の道筋と、読者が成功する道筋は異なる」ことだ。バーカー氏はこのことを、「なぜ高校の首席は億万長者になれないのか」という調査結果を元に説明している。

 この調査を行ったのは、ボストン・カレッジの研究者カレン・アーノルド氏で、調査対象者は1980~90年代にイリノイ州の高校を首席で卒業した81人だ。

 彼らは堅実で信頼され、社会への順応性も高く、総じて恵まれた暮らしをしていた。しかし、世界を変革したり、動かしたり、世界中の人に感銘を与えるまでに至る人物は、彼らの中に一人としていなかった。

 アーノルド氏はその理由を「優等生たちは、先見の明をもとにシステムを変革するというより、むしろシステム内におさまるタイプ」だからであると分析する。エリートたちは明らかな答えがあるところでは成功できるが、そうでなければ苦労する可能性が高いことが示されている。

 エリートコースから外れて成功しているタイプの例には、アーティストなどが挙げられる。これらの人物は、既存の体制に従ったとしても、成果はあげられないかもしれない。むしろ、リスクが伴おうとも、自分で道を切り開いた方が成功する可能性が高い。

 とはいえ、バーカー氏は本書にて「エリートコースを歩むか、アーティストの道を選ぶか」といった二者択一を読者に迫るわけではない。むしろ、成功には自分の強みを発揮することが必要で、そのためには、環境と調和していることが不可欠であると述べている。

 成功の秘訣とは、自分のタイプ(強み)を理解し、その自分を成功に導く“道筋”があることを認識し、自分にあった道(環境)を選択することである。つまり、「私はこうやって成功した。だから同じようにすればよい」という成功者の体験は、たとえ他人が真似したとしても、タイプが合致した一部の人を除いて、ほとんどが失敗するというわけだ。

 

「相手を信じること」が成功の近道である理由

 成功者を真似しても成功できない理由のふたつ目として、自己啓発本では… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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