2018.09.19 Wed

 企業を支えるのは人であるが、その「人」を育成するためには、「研修」が必要となる。

 しかし、研修に対して限界を感じている人は、研修を開催する側、研修を受講する側、どちら側にも多いかもしれない。なぜなら、研修を講じたからといって、その成果が現場に活かされるとは限らないからである。

 “成果を出す”研修とは、本当に存在するのか。存在するのであれば、どのようなものなのだろうか。本稿では、この6月に発売された、受講者の行動変容を促す研修の条件について述べた書籍『研修開発入門 「研修転移」の理論と実践』(ダイヤモンド社)を元に、研修を現場に活かす方法を探る。

 

こんなに活かされてない研修の残念な実情

 多くの人は、研修を「参加者が学ぶこと」と思っているかもしれない。しかし、これは厳密にいえば間違いである。

 本書によれば、研修とは専門的・理論的には「組織のかかげる目標のために、仕事現場を離れた場所で、メンバーの学習を組織化し、個人の行動変化・現場の変化を導くこと」と定義されるという。つまり、本人が学びを得たとしても、組織にプラスの影響をもたらさない限りは研修とは言えないのだ。

 企業研修において、学ぶことは「手段」であって「目的」ではない。現場の変化を導いた研修だけが、初めて「研修」といえるのである。

 とはいえ実態としては、その理想に対して真逆の結果が示されている。カナダの企業256社で行われた調査(Hugues & Grant 2007)によると、研修を受けた従業員の47%が、研修直後には「研修で学んだ内容を職場で実践する」と回答したものの、その割合は半年後には12%、1年後には9%に減っていたという。

 

なぜ、こんなにも研修は現場に活かされないのか

 なぜ、研修は現場に活かされないのか。本書では理由のひとつに、多くの研修で、… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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