“企業×スポーツ”の新しいカタチ(第2回)

誰もが参加できるスポーツを通じ、共生社会を目指す

2018.08.22 Wed連載バックナンバー

 大阪桐蔭高等学校の史上初となる2度目の春夏甲子園連覇で幕を閉じた、第100回夏の全国高等学校野球選手権大会。朝日新聞社は、その起源となる1915年の「全国中等学校優勝野球大会」から主催者として関わってきました。その後、さまざまなスポーツ競技に対して関わり、今では年間150~180ものスポーツイベントを開催・支援しています。

 2年後に迫る東京オリンピック・パラリンピックにおいても、「東京2020オフィシャル新聞パートナー」として、大会をサポートしています。企業のスポーツに関与する形が変化する中で、朝日新聞社のオリンピック パラリンピック・スポーツ戦略室長、樋口太氏は「誰もがスポーツに参加し、あるいは楽しめる社会を醸成することが我々の目的です」と、朝日新聞社としてスポーツに関わるスタンスを強調します。

 

もともと野球の普及のために始まった「高校野球」

 毎年夏に開催される「全国高等学校野球選手権大会」は、日本の夏の風物詩としてすっかり定着しています。地方大会を勝ち抜いた高校球児が、郷土の誇りも背負って真夏の甲子園球場に集い、熱戦を繰り広げる光景は多くの人の注目を集めます。地元校の活躍に期待を寄せる方はもちろん、過去の名勝負に思いをはせるオールドファンもいるでしょう。

 とりわけ今年は「第100回全国高等学校野球選手権記念大会」です。太平洋戦争中の中断をはさみ、1915年に第1回大会が開催された「全国中等学校優勝大会」から100回を数えます。主催者である日本高校野球連盟と朝日新聞社、春の甲子園大会である「選抜高等学校野球大会」を主催する毎日新聞社は「高校野球200年構想協議会」を組織し、2018年5月に「高校野球200年構想」を発表。少子化や野球人口の減少などを背景に、野球の普及拡大につながる24事業を推進することを明らかにしています。

 高校野球大会を長く継続し、それが国民的なスポーツとして普及してきたのは、メディアである新聞社が主催者に名を連ねるということを抜きには語れないでしょう。

 樋口氏は、「実は、朝日新聞社は、中等学校野球の始まる2年前に、米ワシントン大学を迎えて、早稲田大学、明治大学が戦う日米親善野球を、大阪・豊中グラウンドで主催しています。そんなこともあってか、当時の大阪朝日に、中等学校野球の全国的な大会を開催したいという要望が寄せられ、高校野球の前身である中等学校野球が1915年に豊中グラウンドで開催され、今につながっています」と解説します。

 さらに朝日新聞社(当時・大阪朝日新聞社)が、CSRという言葉も無い時代に「当初から、野球の普及と、野球を通じて青少年の健全な育成を図る、つまり教育の一環という目的が定められていました」と付け加えます。

 

オリンピック・パラリンピックの成功に加えレガシーとして何を残すかも重要

 そのような社会貢献的な理念は、朝日新聞社が日本陸上競技連盟などとともに主催し今年が72回大会となる「福岡国際マラソン選手権大会」や、日本学生陸上競技連合などと主催し50回大会となる「秩父宮賜杯全日本大学駅伝対校選手権大会」にも共通していると話します。

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)やサッカー日本代表を支援し、また2016年秋に始まったジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)のサポート企業に名を連ねていますが、「市民スポーツ、生涯スポーツ、障がい者競技なども含めて、誰でもどこでもスポーツが楽しめる社会の実現を目指すという基本的なスタンスは変わりません」(樋口氏)。

 トップスポーツを支援するのは、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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