2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと、日本で開催されるスポーツのビッグイベントが相次ぎます。近年、スポーツと企業のあり方が変化しています。スポンサーシップによる認知度向上や売上拡大、採用への貢献といった従来の目的に加え、さまざまなスポーツ競技の育成や振興といったCSR的な側面も強調されつつあります。

 そのような中、株式会社横浜DeNAベイスターズは、スポーツ業界を盛り上げるベンチャー企業との共創プログラム「BAYSTARS Sports Accelerator」(ベイスターズ スポーツ アクセラレータ)を立ち上げ、スポーツ・エンタテインメントに関連したビジネスを共創する活動を開始しています。横浜をスポーツ産業の集積地にするとともに地域経済振興も狙いとする、この取り組みについてお話を伺いました。

 

「横浜スポーツタウン構想」を掲げ、地域振興・産業集積を図る

 2017年11月、株式会社横浜DeNAベイスターズ(以下、横浜DeNAベイスターズ)は、スポーツ・エンターテインメント分野で事業を行うベンチャー企業を発掘・協業し、新たなスポーツ産業の共創を目指す新事業「BAYSTARS Sports Accelerator(ベイスターズ・スポーツ・アクセラレータ)」の開始を発表しました。

 この取り組みの目的について、同社事業本部 経営・IT戦略部部長の林裕幸氏は解説します。

「2017年の1月にスポーツを切り口とした街づくりを進める『横浜スポーツタウン構想』を掲げ、スポーツやスポーツに関連するエンタテインメント産業の企業集積と街づくりの方向性を打ち出しました。その一環として、ベンチャー企業の持つ技術やアイデアを新しいビジネスに生かしていきたいと考えています」

 横浜DeNAベイスターズの考えは、いわば「横浜をスポーツ産業のシリコンバレーにする」という壮大な構想と言えるでしょうか。「横浜スポーツタウン構想」において、スポーツ産業の創出、振興、活性化に向けた取り組みをスタートさせています。その1つがシェアオフィスやコワーキングスペースを備えた「CREATIVE SPORTS LAB」(横浜市中区日本大通34 「THE BAYS」2階)の開設です。

「ビジネスのノウハウを持った大企業と組むという方法も当然ありますが、新しいアイデアを導入し、横浜をスポーツ産業の集積地にするためにはベンチャー企業との共創が最もふさわしいと判断しました」と林氏は話します。

 

第1期募集で「電子地域通貨」のギフティを採択

 新しいビジネスを提供する実証実験の場として、まずはシーズンを通し約200万人の観客を集める横浜DeNAベイスターズの本拠地「横浜スタジアム」が挙げられます。さらにスタジアム周辺には関内、元町・中華街、伊勢佐木町といった横浜市のビジネス、飲食、ショッピングの中心地が控えています。

「こうした立地環境にありながら、横浜DeNAベイスターズの試合に来られたお客さまが、飲食やショッピングでどこを回遊されているのかという実態が把握できていません」と、林氏は課題を挙げます。プロ野球の試合という1回で数万人、年間200万人を集めるイベントがあるのだから、それを活用することが、街の活性化やスポーツ産業の集積につながるのではないかという考え方です。

 2017年12月に募集を開始した「BAYSTARS Sports Accelerator」には約50件の応募があったといいます。「スポーツ産業の共創を打ち出していたので、第1期から事業化を視野に入れて、ハードルは高めに設定しました。提出書類にはち密さを求めましたので、応募する企業の皆さまも大変だったと思います」と林氏は振り返ります。

 その高いハードルを乗り越えて採択されたのが、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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