日本に「プリペイド」の概念を定着させたもののひとつに、テレホンカードの存在がある。前払いでわずかに得をする上、常に小銭を持ち歩く必要はなく、画期的であった。

 年月が流れ、今ではSuicaなどの電子マネーがプリペイド支払いの主流となっているが、携帯電話や公共料金の支払いなど、一部の支払いには対応していないケースが多い。

 しかし、インドネシアでは事情が違う。プリペイドを意味する「トップアップ」という言葉は、それが英語だと知らない人ですら、無縁では生活できないまでに浸透しているのだ。

 

まずはコンビニでチャージ

 トップアップとは、正確には、前払いによる現金のリチャージを指す。テレカのように使い捨てではなく、同じカードにリチャージという形で何度も料金を追加できる。つまり、架空の口座のような場所に現金を入れておくことができるのだ。

 トップアップのリチャージは、現金で直接行う方法、銀行のATMで行う方法またはインターネットバンキングによる方法が選べる。より簡単で一般化している方法は現金取引で、そのうち最も多く利用されているのがコンビニエンスストアである。

 インドネシアのコンビニは、店舗数が非常に多い。最大手はインドマレットとアルファマートで、それぞれが国内に1万軒以上の店舗を構える。どちらも国内大手財閥が運営しており、地域に基づく流通経路とマーケティングノウハウを併せ持つ。値段は大手スーパーと変わらず、コンビニ利用時の割高感はない。その上、チケット販売、自動車やバイクのローン支払い、請求書の支払い、現金引き出しに加え、各種トップアップができるため、コンビニさえあれば、生活には困らないのだ。

 

スマホユーザー急増の裏にトップアップあり

 コンビニでのトップアップが実現して、人々の生活は大きく前進した。そのひとつが、… 続きを読む

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さいとうかずみ

さいとうかずみ

海外書き人クラブ所属・インドネシア在住ライター

2007年よりインドに移住し、ライターとしての活動を始める。得意とする分野は、時事、社会、宗教、教育、医療、育児など。2017年よりインドネシアに移り、インドおよびインドネシアについての執筆活動、またリサーチなども請け負う。

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