海外発!最新ITトレンド情報2018(タイ・チェンマイ)

ITの普及が、タイを「微笑みを失った国」に変えた?

2018.08.05 Sun連載バックナンバー

 タイは「微笑みの国」と呼ばれ、気さくで親しみやすく、かつ礼儀正しい国民性は世界各国からの外国人観光客に称賛されている。中でも、タイ第二の都市で、“北方のバラ”と称されるチェンマイは、特に温厚でホスピタリティに満ちた気風が満ちているとされ、日本人からもロングステイの適地として人気を集めている街である。

 夜ともなれば主要道路に屋台や露天が並び、アジアらしい熱気と喧噪が心地よく感じられる。それら露天商が店番をしながら寝入っていたり、屋台飯をひと目も気にせず食べているタイ特有の緩やかな空気は、日常は時間と規則に追われている日本人にとって心を和ませるものである。

 そんなタイらしい風景が、ここ数年はあまり目にすることがなくなった。露天商が店番をしながらやることは「スマートフォンに見入る」という行為にほぼ取って変わってしまった感がある。

 もちろん、スマートフォンが人間のライフスタイルを変えているのはタイに限った話しではないが、その影響や弊害についてはタイ特有の問題を孕んでいるのである。

 

一日の50%をインターネット利用に費やすタイ人

 今やタイでは常時インターネットに繋がっていないと社会生活は成り立たない。タイのスマートフォン普及率は2017年時点で既に70%を超えており、67%がLINEやFacebookなどの何らかのソーシャルメディアに参加しているという調査データがある。

 We Are Socialという英国企業による調査報告 「Digital in 2017」によると、タイ人が一日にインターネット利用に費やす時間は平均8時間を超えており、世界第3位である。起きている時間のほぼ半分はスマートフォンなどのインターネット端末に見入っているか、通話機能を利用していることになる。

 スマートフォンの普及は、タイ人の行動様式をすっかり変えてしまった感がある。寄り合いを好み、話し好きで他人ともすぐ打ち解けてしまう人懐っこいチェンマイっ子が、グループで食事に来ているというのに、全員がそれぞれスマートフォンに没頭しているという光景をたびたび目にする。

 こうしたタイ人のインターネット依存生活を支えているのが、… 続きを読む

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横山 忠道

横山 忠道

海外書き人クラブ所属・タイ王国チェンマイ在住ライター

国内企業において20年以上海外渉外業務・海外進出コンサルタントなどに従事し、日タイ政府間合弁事業によるタイ人技術者育成プログラムの企画・推進を担当した以降は一貫して日本とタイを繋ぐ活動に注力。2014年に独立してチェンマイに拠点を移し、持ち味であるリサーチ・分析スキルを生かした独自視点によるタイコラムを執筆している。

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