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日本上陸間近、中国系モバイル決済アプリの今

2018.05.07 Mon連載バックナンバー

 日本を訪れたことのある中国人の感想は、2010年代前半までは「清潔」「接客が礼儀正しい」というものが圧倒的に多かった。しかし、中国のGDPが日本を逆転し、“爆買い”が流行語になった2015年ごろは「何でも安い」との声が増えた。

 そして2017年に入ると、「日本は不便」という嘆きが聞かれるようになった。  

 同年春、交換留学生として来日した大学生の李華傑さん(21)は、テクノロジーの国と聞いていた日本が、想像より遅れていると感じたという。

「中国のジャック・マー(アリババ会長)はキャッシュレス社会を本気で目指しているし、もう半分実現してますよ。日本はまだ現金社会なんですねえ」

 

中国都市部の98%がモバイル決済利用

 日本銀行が2017年6月に公表したレポート「モバイル決済の現状と課題」によると、中国都市部の消費者の98.3%が、過去3カ月の間にモバイル決済を「利用した」と答えたという。

 中国のモバイル決済は、アリババ系のアリペイ(支付宝)と、テンセント(騰訊)系のWeChat Pay(微信支付)が、シェアの大部分を握る。ユーザーのスマホに表示されたバーコードを、店舗の端末で読み取るか、店舗のQRコードをユーザーが読み取って金額を入力する簡易なシステムで、商店は当然のこと、屋台や行商でもモバイル決済を受け付けている。

 訪日中国人の消費を取り込もうとする日本の小売業界にとっても、中国モバイル決済は突破口の一つだ。最近ではローソンやイオンなどの大手小売企業も、アリペイやWeChatPayでの支払いを導入している。

 秋田県在住歴1年の孫坤陽さん(24)は、「秋田はアリペイを使える店が少ないけど、時間に余裕があるときは自転車でローソンに行きますよ。アリペイだとApple Watchで使えるようにしているので、財布もいらないですし」と話す。

 関西の百貨店の化粧品コーナーで働く販売員女性は、「最近では中国人のお客さまの9割がアリペイを希望する。ただ、対応できる端末が少ないので、混雑時は現金かカード払いに誘導しないといけない」と明かした。

 

2018年に日本人向けサービス開始か… 続きを読む

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浦上 早苗

浦上 早苗

海外書き人クラブ所属、中国経済ライター

1998年から2010年まで西日本新聞社記者。その後中国政府奨学金を受け博士留学(専門は経営学)。中国・大連の少数民族向け国立大学で教員。中国経済ニュース、米国経済ニュースの翻訳の他、中国経済関連記事を執筆。法政大学MBA兼任教員。

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