中国の情報サイト「行業頻道」によると、2016年度のスマホ普及率は72%だそうだ。2018年の今、この数字が更に増えていることは想像に難しくない。どんなに貧しくても、高齢の人でも、スマホだけは皆持っているのが現状だ。テレビも無いような片田舎においても、人々はスマホをいじっている。
なぜこんなに多いのか、それはこの国で生活してみればすぐに分かる。町の小さな商店、路上で行きかう人に不用品を売るフリーマーケットでさえ、スマホで決済している。釣銭要らずで、一日の売り上げも一目瞭然、という利点はもちろんの事、それ以外にもスマホの利点は、はかり知れない。
いまこの国は、スマホを持っていないと利用できないシステムが町中に溢れている。その中のいくつかを紹介したい。
お店のメニューも注文も、宅配も
最近、日本にも進出し始めた「共有自転車サービス」、いわゆるレンタル自転車は、中国では町のあちこちに置かれていて、使いたい時すぐに使える。価格は最初に199元(約3,400円)のデポジットを入れて、その後は30分1元(約17円)。バーコードを読み取りスマホ決済する仕組みである。乗り捨てOKのため、歩くには遠いけど、タクシーやバスなどを使うほどでもない距離、そんな時に非常に便利だ。
交通の便が悪く、バス停からさらに歩かなくてはならないような場所の場合、バスを降りてから、その辺の路に置いてある共有自転車を使えば、楽々行ける。さらには、中国では自転車がよく盗まれるという事情もあるが、こうした共有自転車は盗まれる心配をしなくて済む。


レストランの決済も、当然スマホでできる。先日入った店は、メニューの注文もスマホでするシステムだった。ウェイトレスさんに「メニュー下さい」と言うと、テーブルの上のQRコードを指さされた。そしてQRコードを読み取り、写真付きメニューを見ながら注文する。支払はもちろんスマホ決済。人件費削減にも大いに役立っている。
同じように通販も出前も、すべてスマホ上で完成できる。出前の配達員が今どの辺にいるのか、リアルタイムで地図上に現れるため、あと何分で届くのかも、目で見て分かるシステムだ。
無人駐車場や無人コンビニもあらわれた
人件費削減と言えば、スマホ決済を利用した無人駐車場も増えてきている。車が近づくと… 続きを読む… 続きを読む