海外発!最新ITトレンド情報2018(豪州・ブリスベン)

ITが保証する「登校しなくても教育を受ける権利」

2018.09.04 Tue連載バックナンバー

 日本でも社会問題となりつつある不登校。その原因はいろいろ挙げられるが、その結果として児童や生徒たちが被る不利益の一つが「学力の低下」、もっといえば日本国憲法ですべての国民に保証されている「教育を受ける権利」が侵害されることだ。教育の有無や質の良し悪しは一時期だけでなく、その人の一生を左右する由々しき問題だ。

 ところがオーストラリアではたとえ不登校でも、通学する児童や生徒とまったく変わらないレベルの充実した教育を受けられる環境がある。そして登校できなくなる「不登校」ではなく、通学以外の他のことに時間を費やしたいからと、あえて登校しない“否登校”を選択することも可能だ。

 

遠隔地に住む子のためにつくられた学校

 オーストラリアでは、「遠距離教育(ディスタンス・エデュケーション)」という通信教育制度が充実している。この制度、そもそもは遠隔地に住む児童や生徒のためにつくられた。国土は日本約20倍あるのに、人口は増え続けているとはいえ、まだ日本のおよそ5分の1。つまり人口密度が約100分の1のオーストラリアでは、内陸部の牧場地帯などに「最寄りの学校まで100キロ以上」という家もあるからだ。

 オーストラリアでは都市部を外れると、一般道でも集落以外は制限速度100キロとなることがほとんど(逆にいえば制限速度100キロの道をドライブしていて、80キロ制限の道路標識が現れると「そろそろ集落だな」と予測がつく。集落では通常60キロ制限となる)。だが、家から学校まで片道1時間半だとしても、送り迎えする親は… 続きを読む

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柳沢 有紀夫

柳沢 有紀夫

海外書き人クラブ所属・オーストラリア在住ライター

慶應義塾大学文学部卒業。外資系広告会社で12年間コピーライターをした後、1999年よりオーストラリア在住。2000年、海外在住の日本人ライターに呼びかけ、海外書き人クラブを設立し、現在もお世話係を務める。『日本語でどづぞ』(中経出版)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか』(新潮文庫)、『オーストラリアで暮らしてみたら。』(JTBパブリッシング)など著書多数。『値段から世界が見える』(朝日新書)など、多くのライターに執筆参加してもらう企画も得意。2013年から別名義で小説家としても活動中。

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