ITや最先端テクノロジーに必要な理数的思考能力のある人材を育てる手法として、世界的に「STEM(ステム)教育」が注目を集めている。日本ではあまり馴染みがない言葉かもしれないが、2020年からは小学校での導入が予定されており、いくつかの民間企業では、既に独自にSTEM教育を進めているケースがある。

 STEM教育とは、一体どのようなものなのだろうか。そして企業は、未来の日本の産業を支える“STEM人材”を輩出するために、どのような取り組みを行っているのだろうか。

 

そもそもSTEM教育とは?

 STEMとは、「Science」「Technology」「Engineering」「Mathematics」の頭文字をとった略称で、科学・技術・工学・数学などの理数系教育に力を入れ、科学技術及びビジネス分野で国際競争力を発揮できる人材が育成することを目的としている。

 この4つの分野を統合的に学習し、実世界をSTEMの知見からとらえ、学習することで、原因究明、空間認識、論理的思考、問題解決能力といった能力を持ち合わせた人材が輩出できる、というのがSTEM教育の基本である。

 STEM教育への注目が高まる背景には、すでに問題視されているIT業界や最先端テクノロジーに関わる人材不足があげられる。

 日本では、将来的にIT分野の人材不足が懸念されており、2020 年には 22 万人程度、2030 年には 41 万人程度、不足することが予測されると発表している(2017年みずほ総研調べ)。特に、人材不足が深刻化するであろう分野は、不足する人口が多い順に、ビックデータ、人口知能(AI)、IoT(Internet of Things)、ロボットなどの最先端のITテクノロジー、クラウドコンピューティング、情報セキュリティ、デジタル・ビジネスなどのIT産業である。

 

日本ではSTEM教育が普及しない?

 IT業界の人材が不足しているのは各国も共通であり、現在、多くの国でSTEM教育が、義務教育の段階から導入されている。

 たとえば、初等教育における必修カリキュラムとして導入されている国は、ハンガリー、インド、ロシア、イギリス、フィンランド。一部実施が開始されている国は、シンガポール、アメリカ、スウェーデン、イタリア、エストニアがある。日本では、2020年から小学校を対象としたプログラミン教育を本格導入することを文科省が発表した。

 しかし、日本での導入にあたっては、… 続きを読む

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見上すぐり

見上すぐり

株式会社ネクストアド所属ライター

B2B向けのデジタルマーケティング、IT関連の記事を専門とする。大手金融機関に勤務後、米国発のインバウンドマーケティングやデジタルマーケティングを導入したサービスで日系企業の海外進出のサポートにたずさわる。現在はインド在住。

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