CSRの「リアル」な活用法

CSRで社会問題を解決しつつ売上を伸ばす企業がある

2018.01.28 Sun連載バックナンバー

 CSRとは「企業の社会的責任」のことです。企業は利益を上げ、最低限の法的責任を果たすだけでなく、企業活動を通じて市民や地域、社会の要請に対し積極的に貢献すべき、という考え方です。

 しかし日本では、CSR=「利益を目的としない寄付やボランティアなどの慈善事業」だと解釈している人が大勢います。

 本来の意味でのCSRは、これらの本業以外に追加的に行われるようなものでなく、環境向上によるコスト削減、技術革新、企業のイメージアップによるブランド価値向上など、企業が持続的に成長するための経営戦略のひとつとして捉えられるものです。

 本稿では、今、世界の企業で行われている最新のCSR活動について見ていきます。

 

企業の評価が売上・利益だけではなくなってきた

 CSRが単なる慈善事業ではなく、経営戦略のひとつである理由としては、いくつかの要因があります。

 まず1つ目は「企業のグローバル化」です。インターネットをはじめとした情報網が普及したことで、企業活動はその国や地域だけでなく、グローバルに広く監視されるようになりました。

 2つ目は、「環境問題への認識の変化」があります。企業の環境問題への取り組みは、かつては公害問題のような環境破壊防止への責任が中心でした。現在ではさらに一歩進んで、環境保全や浄化、生態系の維持、地球温暖化対策など、環境問題に対する積極的で幅広い取り組みが、企業の付加価値と捉えられるようになってきています。

 そして3つ目は、「価値観の多様化」です。企業を評価する際の基準が、売上・利益といった既存の価値観だけではなくなりました。例えば製品の機能や性能、価格だけでなく、その企業の理念やコンセプトを重視して商品を選ぶ消費者も出てきています。「良い企業」という評価を下すにあたって、既存の価値観だけではなく、企業の事業活動全体が対象になりつつあります。

 つまりCSRは、企業価値を向上させるために欠かせない手段のひとつになっている、というわけです。

 

環境や社会に貢献しつつ、自社ビジネスにもメリットを生むCSRがある

 近年のCSRは、前述したような環境問題だけでなく、労働環境や人権(対従業員)、雇用創出(対地域)、品質や取引先への配慮(対顧客・協力会社)など、幅広い分野に拡大してきています。

 企業がこうしたCSRに取り組んでいる裏には、… 続きを読む

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小笠原 隆夫

小笠原 隆夫

ユニティ・サポート 代表・人事コンサルタント・経営士 BIP株式会社 代表取締役社長

IT企業の人事部門責任者を務めた後、ユニティ・サポートを設立し、以降は同代表、人事コンサルタントとして、中堅・中小企業を中心に、人事制度、採用活動、人材開発、人事戦略策定やCHO(最高人事責任者)業務など、人事・組織の課題解決・改善のコンサルティングを行っている2017年よりBIP株式会社の代表取締役社長。

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