「生産性」を向上するためには、仕事の成果を高めることと、かける時間を減らすことという、両面での取り組みが必要になる。しかし、たとえば「会議」においては、とかくかける時間だけが増え、成果のレベルが上がらない傾向がある。第1回目では、この点について述べた。

 時間だけが無駄に費やされ、そのくせ成果が少ない“残念な会議”を減らすためには、どうすれば良いのか。第2回目では、その具体的な方法を紹介する。

 

生産性向上は「まず減らす」「次に増やす」のステップで

 第1回でも触れたが、「生産性向上」のステップは、2段階ある。第1にインプットとなる投入資源・時間をいかに減らすかを考え、実行する段階。第2にアウトプットにあたる成果貢献や会議参加者の活性度(目的感をもって参加し、それぞれの参加役割を果たしている状態)を上げるかを考え、実行する段階である。

 理屈では両方追うことは可能だが、それは避けたい。なぜなら、会社には様々な組織やかかわる人数も多く、一気に進め、浸透させることは難しいからだ。「まず減らす」、「次に増やす」とそれぞれスコープを置いて進めたい。この考え方は、会議に限らず、あらゆる効率化・改善活動に通じる。

 この生産性向上のステップを、会議に当てはめてみる。そもそも会議の特徴・目的は、(1)「情報共有・実行促進を図る会議」、(2)「意思決定を図る会議」、(3)「発散・アイデア出し会議」と分かれる。日本の会社・組織は、会議目的を整理せず「事案過多」の状態で進められるケースが本当に多い。結果、時間オーバーや、やたら大人数といった現象が発生する。その前提に立ち、まずは会議全体の数や時間、参加人数を減らすことから着手するのがベストである。

 

最初にやることは“会議投入工数の分解・見える化”

 会議にかかわる資源・投入工数は、会議回数×かける時間×参加人数の計算式で成り立つ。

 たとえば、月に会議が4回発生し、1回1時間、参加人数10人だとすると、計40時間(正確には40人時)、工数を投入していることになる。正確には、会議そのものに加え、会議前の準備(参加者調整や資料づくり、部屋の用意)、会議後の処理(例えば議事録づくりや配布など)など付随仕事の時間・工数もかかってくる。

 したがって、会議の生産性向上は、会議の数、付随仕事も含めてどれだけ時間がかかっているか等、「会議の棚卸し」見える化から始める必要がある。見える化によって、会議の見直しポイントも明確となる。

 棚卸しする項目・要素は、具体的には以下のとおりだ。

(1)会議種類
(2)会議発生回数・開催頻度
(3)1回の会議時間(もともとの設定時間+オーバー時間)
(4)参加人数
(5)会議種類別準備時間
(6)会議後処理時間

 数式は(会議種類×発生回数・頻度×会議時間×参加人数)+(会議準備時間×頻度)+(会議後処理時間×頻度)となる。これら6項目を横軸におき、会議種類毎に投入工数を算出すると、時間がかかっている会議が一目瞭然となる。

 会議を効率化するためには、上記の6項目において、実際に工数を計算することがポイントとなる。それぞれの項目について、「そもそも何ゆえ発生しているのか?参加人数は適正なのか?」など開催目的を疑うことで、止めたり、減らすことを考える。

 先にあげた6項目に対してチェックすべきポイントは、以下のとおりだ。… 続きを読む

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株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC) 田中良憲

株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC) 田中良憲

ビジネスプロセスデザインセンター チーフ・コンサルタント

大手ノンバンクを経てJMACに入社。業務プロセス改革、情報システム導入による生産性向上、サービスレベル・品質向上テーマを専門領域として活動。近年は、(株)ワーク・ライフバランス社、加盟ワーク・ライフバランスコンサルタントとして、働き方改革によるワーク・ライフバランス、女性活躍推進・ダイバーシティ実現支援にも積極的に取り組んでおり、関連テーマの新聞・専門誌執筆実績も多い。
http://www.jmac.co.jp/column/opinion/011/

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