ビジネスクラッシャー上司になってはいけない(第2回)
「クラッシャー上司」にならないためにどうすべきか?
2017.05.24 Wed
「クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち」 (PHP新書/松崎一葉著)という本が人気となっています。クラッシャー上司とは、部下に対する共感が欠如してしまい、結果的に部下を“潰して”しまう上司のことです。
前編では、上司が会社のため、部下のためという意識を持ち、自分が善であると信じ、部下を励まし指導をしたつもりが、結果的に部下を潰してしまうという例を紹介しました。
しかし中には、部下に対し一方的に嫉妬し、嫌がらせをしてしまうというクラッシャー上司の例もあるようです。本書で取り上げられている、クラッシャー上司Cによって潰されかけたHさんの話を見てみましょう。
部下を「出世のライバル」と認識し嫌がらせ
C氏は部長、Hさんは課長で、ともに管理職でした。C氏はHさんが課長に着任する前に、彼が勤勉で人望が厚いことを調べ上げていました。C氏はHさんに対し、表面上では丁寧に対応しつつも、出世競争の要注意人物として目をつけていました。対するHさんはC氏を尊敬し、後方から支援する控え目な姿勢を見せていました。
ある日C氏は、経営陣からHさんの有能ぶりを褒める言葉を聞かされます。Hさんに強く嫉妬したC氏は、それ以降、最初は丁寧だったHさんへの態度を変え始めました。C氏は部下を引き連れて飲みに行くのを好みましたが、Hさんが誘われることはありませんでした。これはHさんに対するイジメだと、周囲も気付いていました。
C氏に気を遣い続けたHさんは、めまい・耳鳴り・睡眠不足と1年半にわたり苦しみました。しかし、C氏がやがて自らがはたらいた不正により左遷されると、Hさんのその症状はなくなったそうです。
保身のために部下を攻撃する上司は国が認めていない
ここで挙げた上司C氏は、自分の立場を脅かすかもしれない有能な部下に対し、一方的に嫉妬し、悪意をもって嫌がらせを行っています。
もちろん、「自分の保身のために部下を攻撃する上司」というのは、昔から存在していました。しかし現代では、C氏をはじめとするクラッシャー上司は、恐らく今後は生き残れないでしょう。
たとえば厚生労働省では、… 続きを読む

石盛 丈博
ITC 代表