暴飲暴食、夜更かし、怠惰な生活、イライラ癖……。悪い習慣ほど身につきやすく、やがて生活を乱す要因になります。それが積もり積もれば、慢性的なストレスや充足感のなさにつながっていくでしょう。
そこで今回は、有名な「割れ窓理論」を引用し、なかなかやめられない習慣のやめ方を紹介します。
“割れ窓理論”は人の習慣にも当てはまる
割れ窓理論(Broken Windows Theory)とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案したもので、軽犯罪を徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論です。
この割れ窓理論を活用し、治安の改善に成功したのがアメリカのニューヨークです。1980年代のニューヨークは、アメリカでも有数の凶悪犯罪が発生する都市でした。そこで、94年に市長になったルドルフ・ジュリアーニ氏は、軽犯罪の取り締まりに乗り出したのです。
警察職員を5,000人増員し、落書き、騒音、無賃乗車、違法駐車、交通違反、飲酒運転、万引きなどへの取り締まりを強化した結果、5年間で殺人が67.5%、強盗が54.2%、婦女暴行が27.4%減少しました。
上記のデータからも分かるように、軽犯罪であっても、ゆくゆくはそれが凶悪犯罪につながる可能性を秘めているのです。「嘘つきは泥棒の始まり」と言いますが、些細なことでも嘘は良しとしない教育法にも通ずるものがあります。
今回、この割れ窓理論を引用したのは、人の習慣にもまったく同じことが当てはまるからです。
小さな乱れを正せば、大きな乱れもなくなる… 続きを読む