今すぐできる組織の改善(第58回)

ビジネスマンが「変われない」5つの感情ブレーキ

2018.06.14 Thu連載バックナンバー

 変わりたくても変われない。自分の殻を破れない。成長の限界からなかなか抜けられない……。

 こうしたことで悩んでいるビジネスパーソンは、もしかすると「5つの感情ブレーキ」が影響しているかもしれません。今回はそんな方へ、行動パターンを変えたいときに思い出したい「5つの感情ブレーキ」について書きたいと思います。

 

行動が変わらない理由は「感情習慣」

 習慣化という観点からビジネスマンをコンサルしていてわかることは、行動が変わらないネックは、感情にあるということです。

 例えば、企業研修で時間の使い方を教えたとします。なかなか習慣を変えることが難しいという人は、「勉強になりました。でも働く習慣を変えるのは難しいですね……」と二言目には、「難しい」という言葉を発します。「難しい」と考える癖のある人は、「今すぐ完璧にできないなら、それは難しい」と感じてしまうのです。そして何を教えられても「難しい」という人は、やらないのが前提となってしまいます。

 一方、やることが前提の変われる人は、「自分の仕事に少しずつ取り入れていきたいと思います」と感想を言います。この両者の違いは、研修の場面だけでなく、全ての仕事に影響していきます。

 しかし、その言葉の裏の真意は、「自分はどうせできない」「自分は変われない」という、今までの経験から生まれた無力感があることに着目しなければいけません。

 その無力感という感情は、変わらない前提の思考を引き寄せ、「行動しない」「実践しない」という行動のブロックになっていくのです。

 一方で、変われる人は、「自分は何かができる」という自己効力感があります。そのため、少しでも取り入れられること、今すぐできることを探す思考が存在し、行動することで結果を生み出すことができます。さらに、自己効力感が高まり、次なる行動ができるという循環が生まれるのです。

 悪循環か好循環かの違いは、実は感情が行動の成否を握っているという洞察を持つことで、行動の深層部分が見えてきます。

 それでは、「変われない」5つの心理ブレーキを順番に見ていきましょう。

 

【ブレーキ1】自分にはできない(学習性無力感の心理)

 冒頭の例の通り、私たちは、何度もできない状況を味わうと、諦めの心理が湧いてきます。習慣化にチャレンジしては挫折するというパターンを20回も繰り返すと、「どうせできない」という気持ちになるものです。

 例えば、サーカスの象という話があります。サーカスの象は、細いロープでつながれていても逃げません。その理由は、… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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