今すぐできる組織の改善(第56回)

「片づけ」が、毎日の思考習慣を変える

2018.05.23 Wed連載バックナンバー

 片づけは、不思議な波及効果を持った習慣の1つです。最近では、“片づけコンサルタント”の近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)が世界的ベストセラーになり、やましたひでこさんが提唱した「断捨離」も、相変わらず根強い人気です。

 このようなメソッドを実践した人は、「人生でやりたいことが見つかった」とか「イライラすることが減った」、「仕事でも無駄な作業を減らすことができた」など、単に「自宅が片づく」こと以上の効果を口にします。片づけることと仕事の成果向上にどのような因果関係があるのでしょうか?

 

私たちを突き動かす習慣の構造は?

 私たちの生活は、無意識のうちに身についた「3つの習慣」が重なって形成されています。仕事も人間関係も人生にあらゆることは、この3つの習慣の総和が周りに影響を与えます。

 ここでいう3つの習慣とは、「行動習慣」「思考習慣」「感情習慣」のことです。これらはどのような習慣のことを指すのか、以下に詳しく説明します。

 

【1.行動習慣】

 行動習慣は、朝起きる時間、起きて無意識にやっていること、仕事の習慣、夜帰ってやる習慣などです。

 私たちが取っている全ての行動のうち、意識して行っているものは全体の約20%程度で、残りの80%は無意識で行っているとされています。たとえば、3日前にどんな歯磨きをしたか覚えている人は少ないですし、4日前の朝食をパッと思い出せる人も稀です。私たちは当たり前の行動を、特別に意識せずとも自動的に行う習性があるのです。

 

【2.思考習慣】

 行動は思考から生まれます。私たちの思考がどのように物事を捉えるかで、行動が決められるのです。世界に72億人いれば、一人一人思考フィルターが違うため、同じ出来事でも、人によって捉え方は違います。楽観的に捉える人もいれば、悲観的に捉える人もいます。こうした人それぞれの「ものの考え方の習慣」が、思考習慣です。

 私たちは、独自の思考習慣システムを持って、朝から晩まで動いています。行動力は、物事をプラスに受け取るかマイナスに受け取るか、それぞれの思考習慣で随分と変わってくるものです。

 

【3.感情習慣】

 感情習慣とは耳慣れない言葉かもしれません。これは、私たちが1日で感じている感情が「どのような質のものか」、ということです。

 日常生活において、私たちは不安、焦り、緊張、自己嫌悪感、劣等感、などマイナスの感情を味わうこともあれば、希望、余裕、リラックス、自己肯定感、優越感などプラスの感情を感じることもあります。人それぞれ感情生活は異なり、心でどんな感情を感じているかに目を向けてみると実に様々です。

 過剰なネガティブの感情を受け続けると、心がストレスで疲弊してしまいますが、ポジティブ心理学の領域では、ネガティブ感情にも意味があると考えます。適度な不安は、準備や注意力につながりますし、緊張は集中力を高めます。

 この両者の比率で良いとされているのが、ポジティブが3に対して、ネガティブが1、というバランスです。この「3:1の法則」を維持できる人が、幸福で仕事の成果をあげる人の特徴だとも言われています。

 無意識のアウトプットだと思われている私たちの感情も、それぞれの習慣から導き出された結果のひとつなのです。

 

片づけは深層習慣に影響し、全体を好循環にする

 この3つの習慣で考えるなら、「片づけ」は、単なる行動習慣のように思われます。しかし、片づけを実践した人の声を聞くと、それが思考や感情に良い影響を与えているようです。それは何故なのでしょうか。… 続きを読む

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書くだけで心のストレスが解消するノート術
古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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