今すぐできる組織の改善(第52回)

生産性向上の鍵は「いつも通り」にメスを入れること

2018.03.09 Fri連載バックナンバー

「いつも通り」を見直すのが、生産性を高めるカギになる

 私たちは朝起きてから、寝るまで実に「いつも通りの行動」をパターンとして繰り返します。起きる時間、寝る時間、起きてからやること、寝るまでにやることは無意識的に繰り返しています。

 働き方も全く同じで、資料の作り方、メールのチェックの仕方、報告の仕方まで無意識的に同じリズム、やり方で仕事を行います。しかし、通常の仕事のリズムとやり方が低生産性と長時間残業を生み出しているならば、そのパターンそのものを変容させなければ問題は解決しません。魔法のテクニックよりむしろ、当たり前すぎて疑いもしない仕事のやり方やリズムに敢えてメスを入れるのです。

 では、今日は「仕事のパターンを変えるための方法」を紹介します。

 

まず「制限時間を設けて緊張感を生み出す」のが原則

 働くパターンを変えて「高密度」で仕事を処理していくためには、「制限時間を設けて緊張感を生み出すこと」です。具体的にいえば、働く時間に制限を設けることです。この制限がなければ、高密度化する必要性が生まれず、いつも通りの仕事パターンに安住してしまいます。人は「いつも通り」が心地よく、パターンを繰り返す動物です。その結果として長時間残業に陥ってしまっていても、いつも通りの人・リズム・やり方・時間で仕事を進めることが精神的には一番安全なのです。

 この習慣を変えるためには、短時間で今の仕事を終わらせる工夫が必要です。毎日緊張感を持って創意工夫を繰り返すことこそ、高密度化の要諦です。帰る時間に対する緊張感(私は「土俵際の粘り」と呼んでいます)が機能していないと、「いつも通りの長時間残業パターン」から抜け出せません。

 1つの成功例として、大手総合商社の伊藤忠商事があります。この会社では、社長命令で高密度化を実施。「朝型勤務制度」では遅くとも20時には仕事を終える。22時には消灯でそれ以降の残業は完全禁止。こうして、6ヵ月間、「朝型勤務」に取り組んだ成果として、夜20時以降に残っていた社員が30%から7%に減少。22時以降の勤務者が10%だったのがほぼゼロになり、残業時間は約10%減少しました。このように帰る時間に制限を設けることで、自然と仕事の高密度化が進んでいったのです。

 

働くパターンを見直し、高密度化させる5つの習慣

 では、働く時間に制限を設けて、緊張感を生み出していつもの働くリズムから脱出した上で、どうすれば高密度で仕事ができるのでしょうか。以下に5つの習慣として紹介します。

 

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『30日で人生を変える「続ける習慣」』、『新しい自分に生まれ変わる「やめる習慣」』『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』など17冊、70万部がある。

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