今すぐできる組織の改善(第51回)

目標達成のためには、ゴールを明確にする必要はない

2018.02.23 Fri連載バックナンバー

 私がビジネスマンの個人コンサルティングをしていて感じることは、中長期の目標達成するときに、全てのプロセスを明確に描ける人は、想像以上に少ないということです。多くの先人が語るように、中長期的な目標を達成するためには「ゴールを明確にして、プロセスを逆算して行動」しなければいけないのかというと、そうではありません。

 

目標は全て「プランに向けて逆算」しなければならないのか?

 目標達成には、「山登りタイプ」と「波乗りタイプ」の2つがあると私は考えています。

 アメリカを中心とする成功哲学本は、個人主義の思想が色濃く出ています。個人主義とは、常に「自分はどうか」という内的基準(自分の価値観や欲求)に基づいて行動し。周りの仲間を作って、繋がり広げていきます。一方、それに相対する集団主義は、常に社会や仲間などの「周り」、つまり外的基準(社会・集団の価値観や規範)を強く意識し、周りに調和しながら自分を作っていきます。

 異文化視点で見たときに、アメリカは世界で特別に個人主義傾向の強い国です。だからキャリアの積み方も「自分が何になりたいのか」、「どのようなキャリアプランを歩みたいのか」といった、個人の意志を軸に転職したり、配置転換を申し出ます。これが個人主義のスタイルです。

 一方日本は、集団主義の傾向が強い国です。多くの人が社会のしきたりや慣例、価値観の中で、生きています。会社に就職して職種や部署は、多くの場合自分で決めるというより、会社が決めた中で自分のキャリアを作っていきます(もちろん、日本人にも個人主義傾向が強い人、集団主義傾向が強い人はいますが……)。

 この違いは、成功スタイルにも色濃く出ます。

 私が、個人へのコンサルティングで相手のスタイルを見極める際には、この人は山登りタイプか、または波乗りタイプかを見るようにしています。

 山登りタイプは、目標を明確に描き、それを実現させる詳細な計画を元に、行動や習慣を繰り返し、着実に行動し理想を追求していきます。

 一方、波乗りタイプは、プロセスを細かく決めず、大きな方向性だけを定めて、人との出会いや機会・自分の直観を元に臨機応変に行動し理想を追求していきます。

 米国型の成功スタイルは山登りタイプのような、外せない目標をもとにした個人主義を前提に書かれている場合が多いのです。しかし、日本人の傾向で言えば、8割ぐらいは波乗りタイプが多いのが実情です。

 どちらが良い・悪いではなく、大切なことは、どちらのタイプが自分の特性に近いのかを見極めていかしていくことです。

 

自分のタイプと特徴を知って達成の方法を考える

 山登りタイプ、波乗りタイプには、それぞれに特徴があります。

 まず山登りタイプは、ひとたび目標が定まると、あれこれ目移りせずに地道な努力を積み上げることができる点が長所です。そして、目標とプランに基づいて予定どおり進めるため、その場の状況や展開、相手に流されず目標に進み続けることができます。

 一方、短所は、… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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