「仕事で解決策が見えず苦しんでいる」、「職場も家庭も人間関係がうまくいっていない」…。このような八方塞がりの状況に陥ることは誰にでもあります。問題はこの閉塞感の中で堂々巡りをして「抜け出せない」人と、すぐに打開策を見つけて「状況を好転させていく」人がいること。この差は一体、何処から生まれるのでしょうか?
八方塞がり、四面楚歌は、自分の思考が作り出しているだけ?
絶体絶命のピンチを迎えることは、人生に何度もあると思います。「仕事で会社に大損害を与える失敗をしてしまった」「夫婦で離婚の問題が浮上している」「子供が登校拒否になってどう接したらいいか分からない」…。絶体絶命のピンチ、八方塞がり、四面楚歌の状況に陥ったとき、私たちは「もう自分では何もコントロールすることができない」という無力感でいっぱいになって、思考停止状態になります。
この本質的な問題は、「選択肢が無いこと」です。そこから抜け出すにはまず、些細なことでも「自分でコントロールできるもの」を見つけることが大切です。「選択肢」をなるべく広げ、コントロールを取り戻すことで、ようやくクリエイティブな解決策を見出せるのです。
入社早々の出向。「選択肢を失った」私の絶望体験
些細な例ですが、ここで私の新入社員の時の体験を紹介します。私が最初に入社した会社は、ある中堅のIT企業グループの子会社だったのですが、入社早々、他の会社に出向を命じられたのです。
最初の会社に入社した条件は、法人営業ができること、大阪支社で働くことでした。しかし業績が悪くなり、社長が交代し、新社長は新入社員の一部のメンバーを出向させる方針を出したのです。その一人になった私は、グループ会社の秋葉原のパソコンショップで働くように命じられました。出向解除がいつになるかもわからず、一部の噂では、まことしやかに「出向した人は戻れない」という話もあり、聞くたびに暗い気持ちになるばかりでした。
出向後は、来る日も来る日もパソコンショップの入り口で9時間、挨拶だけの日々を送っていました。私は自分の置かれた状況の中で、「最初の条件と全く違う。法人営業ではないし、関西配属でもない」、「出向させるぐらい余力がないなら初めから採用しなければいい」と、毎日愚痴を言っていました。
こんな苦しんでいる最中に、ある本に出会いました。… 続きを読む