今すぐできる組織の改善(第42回)

長時間残業を生む、組織の“悪い習慣”を変える方法

2017.10.19 Thu連載バックナンバー

 今、政府が声高に掲げ、多くの企業で「働き方改革」ブームが起きています。発展的な成長のためという積極的な側面もあれば、長時間残業による労基法違反、社員の精神衛生などの予防的な側面から、どの会社にとっても関心の高い取り組みといえるでしょう。

 今回は、「働き方改革」をどのように行えばいいのか、習慣という切り口でご紹介していきます。

 

長時間残業と低生産性を生み出す、ダメな「働き方習慣」とは

 日本全体に「働き方改革」のブームが巻き起こっていても、いざ会社で取り組もうとすると、何から手をつけたらいいのか分からない人は多いでしょう。実際、企業や個人のコンサルティングを行なう私のところにも「自社の症状にあった処方箋はないのか」と相談を受けます。

 会心の一撃、魔法の一手があるのではないかと期待されるのですが、残念ながらそれほど単純なテーマではありません。ただし、私がこれまで約380社、2,500名の働き方改革コンサルティングを行ってきて断言できることがあります。

 それは、「長時間残業と低生産性は、働き方の習慣の結果である」ということ。働き方とは、組織と個人の習慣でできあがっているのです。

 まず、あるビジネスパーソンの1日を例に考えてみましょう。Aさんは、毎朝、片道1時間の電車通勤。その間はスマホで会社のメールをチェックしながら過ごします。会社に9時に到着すると部署の朝礼が始まり、その後慌ただしく1日がスタートします。1日の計画を立てる余裕もなく、大量のメールチェックに追われます。

 他部署からの問い合わせに対応し、上司から仕事を振られます。10時になると社内会議がスタート。1時間の予定が、だらだらとした議事進行により30分オーバー。自席に戻るのは11時半、その後も夕方まで会議に追われて、19時になってようやく自分の仕事に集中できるようになります。提案書作成など深く考える仕事に取り組み、いつものように22時退社になっていきます。上司も同僚も同じように長時間残業で、会社全体の風土ができあがっているというのが現状です。

 このように働き方は「組織と個人の習慣の連鎖」と言えます。そこで、働き方習慣の改革に取り組む際に重要な点は、課題を「個人の課題」と「組織の課題」とで分けて考えることなのです。

 

組織でアプローチする、残業削減・生産性向上の習慣

 まず、組織全体でアプローチしなければいけないのは、… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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