ビジネス現地でリーダーとなる海外駐在員はどう育てる?(第2回)
グローバルリーダーは“放り込み型”で育てるべし
2015.07.27 Mon
企業の人材育成の現場では、「グローバルリーダーをどのように育成するか?」という課題があります。グローバルリーダーとは、ビジネスにおいて世界に通用するプロフェッショナルであり、その目的に向かって人々を動かす力を持つ人のことをさします。
しかし、実際はグローバルリーダーを育成するために何をどのようにしたらいいのか、どの企業も試行錯誤しているのが現状です。
企業や人によって“理想のグローバルリーダー像”はさまざま
その理由のひとつに、企業のなかで「どのようなグローバルリーダーを育てていきたいか」という像が明確でないことが挙げられます。たとえば、「グローバル環境で」「リーダーシップを発揮しながら」「組織を率いて」「ビジネスで成果を出せる人材」と言うと、言葉の意味は何となく分かるものの、では、それができるのは一体どういう人かというと、それぞれ思い描く像は異なるでしょう。
あるいは、グローバルリーダーのコンピテンシー(社員一人ひとりの行動特性や業務の遂行能力)なるものを実用書などから引っ張ってきて、育成する社員へ示したとしても、それらをすべて身につけたからと言って、グローバルリーダーになれるわけでもありません。
しかし、海外への展開を行っている、もしくは今後行っていく予定の企業にとって、グローバルリーダー育成は大きな課題であることは事実です。であるとしたら、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、筆者が企業の人事担当者との会話のなかで出てきた、グローバルリーダー像についてご紹介します。
日本人に求められているグローバルリーダー像とは?
まず、グローバルリーダーと聞くと、誰を想像するでしょうか。ソフトバンクの孫正義氏? それとも、日産のカルロス・ゴーン氏でしょうか?
もちろん、将来の社長として、そのような人材を育てていく必要はあるかもしれません。しかし、… 続きを読む

豊田 圭一
株式会社スパイスアップ・ジャパン代表取締役
埼玉県出身。幼少時の5年間をアルゼンチンで過ごす。上智大学卒業。清水建設で約3年間の勤務後、海外教育コンサルティング事業を起業。15年以上に渡り、留学コンサルティングや海外インターンシップ手配などに関わる。現在グローバル人材育成のためのアジア新興国での海外研修事業に従事する他、インドで英語学校も運営。主な著書に『引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術』がある。