日本でもよく見られる事業形態のひとつに、「フランチャイズ」があります。フランチャイズとは、何らかのブランドを持つ企業に使用料を払うことで、そのブランドの看板で出店したり、運営に関するノウハウの提供が受けられるビジネスモデルです。コンビニエンスストアやファーストフード店ではよくある形態です。
皆さんはフランチャイズビジネスに対して、どのような印象をお持ちでしょうか。もしかしたら、あまり良い印象を抱いていない人が多いのではないでしょうか?
本稿では2回に分けて日本におけるフランチャイズビジネスの持つ課題と、その解決方法を紹介します。
なぜフランチャイズの予測検索はネガティブワードばかりなのか
フランチャイズの本来の特長とは、個人が一から起業した場合は3年以内に約7割が消えると言われている中、逆に7割から8割といった高確率で存続し得る成功率の高さにあります。ところが日本のフランチャイズは世間や加盟者から「高い成功率のビジネス」と言った確固たる評価を得ているとまでは言えそうにありません。
たとえばgoogleの検索ボックスに「フランチャイズ」と入力し、スペースキーを叩くと「フランチャイズ」という言葉が「問題」や「失敗」といった言葉と組み合わされてよく検索されていること、即ち多くの方が「フランチャイズ」に対して「失敗」といったネガティブな言葉を想起し、関心を寄せていることがわかります。
ちなみに「代理店」という言葉で同様な作業を試みた場合、そうしたネガティブな言葉は表示されません。代理店制度については世間が「失敗」を気にするような状況になっていないと言って良いでしょう。
今度は数字に基づくデータを見てみましょう。平成23年に公正取引委員会が行ったフランチャイズ加盟者に対する調査報告(PDF)をみると、予想売上げや収支モデルの額が提示額よりも低かったとの回答が過半数を超えていたり、「本部は加盟店を下に見ている」といったザーとジーの関係(※)に溝を感じさせるような回答があったりと、看過できない結果が見受けられます。
※フランチャイズ本部(Franchiser)は略して「ザー」、フランチャイズオーナーや加盟店(Franchisee)は略して「ジー」と呼ばれる
日本のフラチャイズビジネスは協会等も生まれ、チェーン店数、売上共に成長を続けています。にも関わらず、前出のような公取委の調査結果や世間がネガティブな言葉を想起する状況を払底出来ずにいることを踏まえた場合、日本のフランチャイズビジネスには、克服しなければならない課題が幾つかあると考えられます。
では具体的にどのような課題があるのか。第一回の今回は、フランチャイズを生んだ米国との比較を中心に、その課題点を明らかにしてゆきます。
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