一人ひとりが戦略を理解・納得し、主体的に行動していくために、どうしたらよいか。その解決策として、われわれ富士ゼロックス総合教育研究所が4年間の研究に基づいて開発した戦略実行力強化プログラム「戦略実行キャンプ&ミーティング」。このプログラムをいち早く導入し、業績も好調な会社の事例をもとに、その概要と効果について紹介します。
「戦略実行キャンプ&ミーティング」とは?
実例を紹介する前に、まずは「戦略実行キャンプ&ミーティング」がどういうものなのか、簡単に説明します。
富士ゼロックス総合教育研究所の調査(人材開発白書2011年~2014年)では、戦略の実行力を高めるうえで、コミュニケーションの質を高めることの重要性が示唆されました。(※1)
そこで、弊社は南山大学中村和彦教授、日本アクションラーニング協会清宮普美代氏、サクセスポイント渡辺誠氏と協力し、チーム(課)内外のコミュニケーションの質を高めて、戦略実行を支援するプログラムを開発しました。これが、今回紹介する「戦略実行キャンプ&ミーティング」です。
このプログラムは、「ポジティブアプローチ」や「質問によるリーダーシップ」などの考え方を取り入れ、戦略実行のプロセスに合わせて、課長クラスのリーダ一シップ開発と職場でのコミュニケーション変革を同時進行させていくことを特徴としています。また、全体として組織内での「戦略の語られ方」を、受動的なものから能動的なものへ変えていくことをねらっています。
導入前:連携ができず、疲弊する組織
前置きが長くなりました。ここから戦略実行キャンプ&ミーティングを実際に導入したA社の例を紹介します。
私たちが、そのA社の社長と面会したとき、社長から「社員一人ひとりは素直だし、仲のよい職場だが、一人ひとりが受け身。自分から『こうしたい』っていうのが、あまり出てこない」「指示しなくても、組織の目標に向かって、お互いに自発的に学び合う組織にしたい」というコメントをもらいました。ですが、現場のマネジャーにも聞き取り調査をしてみたところ「社長の期待に応えられていないのはわかっています。しかし、… 続きを読む