経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第103回)

スターバックスの新たな挑戦は成功するか?

2018.04.24 Tue連載バックナンバー

新たな業態を本格的にスタート

 スターバックス コーヒー ジャパン(以下スターバックス)は、カフェと同等のコーヒーをオフィスやレジャー施設、ホテルなど楽しめる『We Proudly Serve Starbucks』の展開を本格化させると発表しました。

『We Proudly Serve Starbucks』とは、スターバックスと契約を結んだビジネスパートナーが、コーヒーマシンを設置したうえで、コーヒー豆や備品などの商品供給を受けて、店舗と同じ品質のコーヒーをスターバックス店舗以外でも提供するビジネス。スターバックスの開発した専用マシンでは、店舗と同様のクオリティを実現した20種類以上のドリンクが提供されます。

 スターバックスにとっては、店舗という形で出店するには採算の面で難しかった企業内のカフェテリアやレジャー施設、ホテルなどの小規模な商圏にコーヒーマシンを貸与するだけで出店と同じ効果が期待でき、「スターバックスのコーヒーを飲みたいけれど、近くに店舗がない」という機会損失を防ぐことができます。

 一方で『We Proudly Serve Starbucks』を導入する企業側においても、社員の福利厚生で従業員の満足度を向上させたり、社員同士のコミュニケーションがより密になったりするメリットもあるでしょうし、レジャー施設やホテルなどにおいては、スターバックスのコーヒーを提供するということが一つの売り、差別化につながっていきます。

 このように導入する側、される側、共にメリットのある『We Proudly Serve Starbucks』ですが、スターバックスは今後も引き合いは多いとして、5年で500ヶ所での展開を目指していきます。

 

スターバックスが『We Proudly Serve Starbucks』を開始した背景とは?

 スターバックスは1996年8月、銀座に1号店を出店して以来、日本市場では順調に成長を続けてきました。2017年12月31日現在では日本全国に1,328店舗 (うちライセンス店舗92店舗)を展開しており、同一ブランドではライバル企業のドトールコーヒーショップの1,124店舗(2018年3月末現在、FC934店舗を含む)を大きく上回り、日本のカフェ業界で圧倒的な存在感を示しているといっても決して過言ではないでしょう。

 業績も直近の2017年9月期は1,710億円と前期を100億円以上上回り、6.4%増を達成。経常利益も131億円で、前期と比べて1億円ほどアップしています。出店ペースも2017年には93店舗の純増を達成したうえに、2018年にはさらに115店舗の出店を計画するほど順調な拡大を続けているのです。

 まさに順風満帆といったところですが、店舗の出店による事業の拡大には立地やコストなどの制約条件も多く、すべての需要を取り込めていないことも事実でしょう。

 そこでスターバックスは… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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