経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第99回)

輝きを失ったトリンプ復活の鍵はマクドナルドにあり

2017.12.16 Sat連載バックナンバー

深刻な不振に陥ったトリンプ・インターナショナル・ジャパン

 『天使のブラ』でお馴染みの女性用下着メーカー『トリンプ』が深刻な事態に陥っています。

 11月1日に官報で公表された第53期の決算公告によれば、2016年12月期の売上高はおよそ435億円を記録したものの、営業利益段階では9.5億円の赤字に転落。

 営業損失が発生しているということは、原価や営業に関わる経費が売り上げを上回っているということであり、事業を続ければ続けるほど赤字が積み重なっていくという由々しき事態といえます。

 この業績不振の中、ジーンズメーカーのリーバイ・ストラウス・ジャパン出身の土居健人社長は12月31日付での退任を表明していますが、後任の社長がいまだ決まっておらず、先行きが心配されます。

 トリンプ(Triumph International)は、もともと1886年ドイツで設立され、現在はスイスに本社を構える世界的な女性用下着メーカー。日本では1964年に日本企業との合弁会社(現、トリンプ・インターナショナル・ジャパン)を設立して参入を果たしています。

 最盛期は“カリスマ社長”として数々のメディアでも取り上げられた吉越浩一郎社長が会社を率いた1992年から2006年にかけてであり、世相を反映した変わり種のブラジャーを始めとして、『早朝会議』や『がんばるタイム』といった残業をまったくしない組織の仕組みなど、当時は本業以外でも大いに話題を振りまきました。

 また、商品では『天使のブラ』や『恋するブラ』など絶妙なネーミングでヒットを連発。加えて、若い女性向けに『AMO’S STYLE』という低価格でお洒落な独自のブランドを展開し、2005年にはおよそ520億円の売上高にまで達していました。

 つまり好調時から比べると、トリンプはここ10年ほどで100億円近い売り上げを失ったうえに、赤字に転落してしまったということになるのです。

 

トリンプ、その不振の背景にあるものとは?

 かつては女性用インナーウェアのマーケットでまばゆいばかりの輝きを放っていたトリンプが、一転して輝きを失った背景には何があるのでしょうか?

 一つ目は、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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