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なぜなか卯は、親子丼を前面に押し出すのか?
2017.07.28

経営者が知っておきたいビジネス理論入門第91回

なぜなか卯は、親子丼を前面に押し出すのか?

著者 安部 徹也

親子丼の大幅なリニューアルに取り組んだなか卯

 丼ぶりと京風うどんなど味にこだわったメニューが人気を博しているなか卯が、27日からメインメニューである親子丼をリニューアルします。

 既存のミニ、並、大盛りの鶏肉は、お値段そのままで25%増量してお得感を演出。さらに新たに特盛をラインナップに加え、「他のメニューに加えて、ちょっと食べたい」という顧客から「親子丼だけをガッツリ食べたい」という顧客まで幅広いニーズに対応することで親子丼の売り上げアップを目指していきます。28日からはテレビCMも展開し、「親子丼のなか卯」を前面に押し出してプロモーションしていく予定です。

 もともとなか卯は、1969年に創業者である中野一夫氏が、大阪府茨木市の駅前のビルの地下で手作りうどん店を開業したところからその歴史がスタートします。その後、1974年には初の牛丼店を大阪梅田の地下街に出店。牛丼をメニューに取り入れたことによりなか卯は躍進のきっかけを掴みます。1989年には関東進出も果たし、1999年にはJASDAQに上場するなど、急成長を遂げることとなったのです。

 そして、吉野家松屋すき家に次いで業界4位に躍り出たなか卯は、2005年、当時業界3位だったすき家を展開するゼンショーホールディングスに買収され、ゼンショーはすき家となか卯を合わせて松屋を抜き去り、M&Aによって業界2位への躍進を果たします。

 ゼンショーはその後も積極的な拡大路線に走り、2008年にはすき家単独で1位を獲得するなど牛丼業界での地位を確固たるものに。一方、なか卯も2016年12月末現在で全国に465店を展開し、売上高も312億円に達するなど順調に成長を遂げているのです。

 このように、うどんで始まり、牛丼で躍進を遂げたなか卯ですが、今回の親子丼のリニューアルにより、「親子丼のなか卯」を前面に押し出して事業を展開していくとのこと。一体、この背景にはどのような理由があるのでしょうか?

 今回は経営戦略とマーケティング戦略の観点からその背景を深掘りしていくことにしましょう。

 

経営戦略の視点から「なぜ、なか卯といえば親子丼なのか?」を考える

 まず、「なぜ、ゼンショーはなか卯を親子丼の店として世の中に認知してもらいたいのか?」という疑問に対して、その背景を考えていくことにしましょう。

 その理由としては、経営戦略の観点から… 続きを読む… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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