恵方巻、バレンタインチョコは企業の仕掛け!?
2月3日、都内のスーパーやコンビニ、お惣菜店などの店頭で、さまざまな「恵方巻」が所狭しと並んでいる光景を目にした方も多いことでしょう。
この恵方巻は、元々大阪や京都、滋賀など近畿地方で節分の夜に、その年の恵方に向かって言葉を発することなく丸かじりすると願い事が叶うといわれている食べ物。
ただ、節分の日に恵方巻を食べる習慣が関東に広まったのは、ここ最近といっても過言ではないでしょう。実は『恵方巻』というネーミングも、1990年代後半にセブン-イレブンが全国発売に際して、『丸かぶり寿司 恵方巻』と名付けて販売したものが大々的に広まっていったものであり、近畿地方で節分に食べる太巻きは『節分の太巻き寿司』などの名前で呼ばれていたのです。
このように今でこそ関東でも一大イベントとなった節分の恵方巻ですが、ここまで盛り上がりを見せるようになった背景には企業のマーケティング戦略があったのです。
同じ2月といえば、14日にバレンタインデーがあります。バレンタインデーは言わずと知れた女性から男性へチョコレートを贈る日ですが、その経済効果は今や全体で1,000億円とも言われ、特にチョコレート業界では500億円を売り上げる、まさに書き入れ時といえます。
ただ、バレンタインデーにチョコレートを贈るのは日本独自の習慣というのは意外に知られていないかもしれません。バレンタインデー発祥の欧米では、女性から男性に限らず、愛する人や親しい人へケーキやカードなどを贈り合う日なのです。
実はこのバレンタインデーに女性から男性へチョコレートを贈るという習慣も、元を辿れば企業のマーケティング戦略が深く関係しているのです。
このバレンタインデーにチョコレートを贈るという習慣の起源は諸説ありますが、1958年にメリーチョコレートカムパニーが伊勢丹新宿店で始めたキャンペーンにより広まったとされています。
その後も森永製菓などチョコレート業界が総力を挙げてキャンペーンを展開し、今のように『バレンタインデー=チョコレート』というイメージが一般に定着するようになったのです。
イベントの提案、習慣化は売り上げアップに効果的
この『節分の恵方巻』や『バレンタインデーのチョコレート』など、企業から“イベントマーケティング”を仕掛けると、顧客が財布の紐を開く理由付けとなり、企業としては売り上げアップが見込めるようになります。
実際にこのイベントマーケティングは、かなり古くからさまざまな業界や企業で活用されてきました。
たとえば、古くは江戸時代。… 続きを読む