総務省主導で変化を余儀なくされる携帯電話業界
携帯電話業界が外部の圧力で大きく様変わりしようとしています。
5月1日から総務省の要請でNTTドコモとauは、契約後半年経てば携帯端末にかかっているロックを解除し、他社のSIMカードも利用できるサービスを開始しました。ソフトバンクも現在検討中で、近々大手3社の足並みが揃う予定です。
このSIMロック解除の義務化により、ユーザーは現在利用している端末そのままで他社に乗り換えができるなど、キャリア選択の自由度が益々増すことになります。
また、各社独自の端末に加え、もう一つ顧客の自由を奪っていたのが2年契約。いわゆる『2年縛り』という問題です。
顧客は2年という長期の契約と引き換えに端末や通信料の割引を受けることができますが、一方で契約期間満了後1ヶ月の間に解約しなければ自動でさらに2年契約が延長されるなど顧客の不満の原因にもなっていました。
この『2年縛り』の問題を解消すべく、総務省は5月から作業部会を立ち上げて、従来の契約慣行の見直しについて、早ければ今夏にも結論を出す構えです。
また、作業部会に先駆けて開催された総務省の研究会で大手3社は、現状契約満了後1ヶ月の無料期間を2ヶ月に延長することや、契約終了間近にユーザーに契約満了を周知徹底することなどの検討を約束しました。今後は総務省主導で高額な違約金の伴う『2年縛り』自体がなくなることも考えられ、SIMロック解除の義務化と合わせれば益々ユーザーの自由度が増すことにつながります。
自由化の進展で携帯電話業界はどうなるのか?
SIMロック解除が義務化され、2年契約という前提がなくなれば、ユーザーはより良いサービスやより安い料金プランを提供するキャリアに、MNPと呼ばれる電話番号を変えずに携帯キャリアのみを変えるというサービスを利用して、いつでも簡単に変更できるようになります。そのため、今後携帯各社は契約の縛りがなくなれば、激しい通信料の値下げ競争やサービス合戦によって顧客を奪い合う可能性も高まります。
一方で、これまでの2年契約を前提とした端末割引(極端な場合は”無料配布”)は、… 続きを読む