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スマホ市場でVAIOが犯した致命的な戦略ミスとは?
2015.03.26

経営者が知っておきたいビジネス理論入門第35回

スマホ市場でVAIOが犯した致命的な戦略ミスとは?

著者 安部 徹也

 SONYからスピンアウトで生まれた新生VAIO。今年に入り、主戦場のパソコンのみならず成長分野のスマートフォン市場に参入することを表明しました。果たしてこれが吉と出るのか?凶と出るのか?VAIOの戦略を分析していくことにしましょう。

 

SONYから独立したVAIO

 2014年7月、グループ全体で10万人以上もの社員を抱えるSONYから独立して、社員わずか240名のベンチャー企業「VAIO」が誕生します。

 新生VAIOはSONYからのスピンアウトによって、万人受けする商品を投入し、ある程度の“売上を作る”事業活動に甘んじなければ、何万人という社員を養うことができない大企業から、「自社が作りたいものだけを作る」というこだわりを追求して一部のファン顧客だけを熱狂させるだけでも事業的な成功といえるポジションとなったといえるでしょう。

 これまでパソコン『VAIO』はその誕生から常に脚光を浴びてきました。1997年7月に登場した初代VAIO『バイオマイクロタワーPCV-T700MR』は、紫の筐体をした当時としては画期的なデザインであり、センセーショナルなデビューを果たしたことは今でも多くのパソコンユーザーの脳裏に鮮明に刻まれていることでしょう。

 また、VAIOの人気を不動のものにしたのが、1997年11月に投入された薄型のB5サイズのモバイルノートパソコン『VAIO NOTE 505』。アルミベースの筐体は銀色と薄紫色で塗り分けられノートパソコンユーザーにとっては羨望のマシンとして高い人気を誇りました。

 このようなかつてはパソコンユーザーの注目を一身に浴びてきたVAIOの系譜を引き継いで、新生VAIOが満を持して投入して第一段のノートパソコンが『VAIO Z』。

 妥協することなく最新の技術の粋が盛り込まれた新製品は、“モンスターPC”と命名され、その名にふさわしい究極のノートパソコンに仕上がったのです。

 

VAIOがスマートフォン市場への参入を表明

 『VAIO Z』によって上々の船出を飾った新生VAIOですが、2014年12月24日、今度はスマートフォン市場に参入すると表明して関係者を驚かせます。SONYにはもともと『Xperia』という強力なブランドのスマートフォンがあり、もしVAIOもパソコンのみならずスマートフォンに進出するのが事実なら、袂を分かったSONYとVAIOの正面衝突は避けることができないからです。

 ただ、この新生VAIOがスマートフォン市場に参入するというニュースが駆け巡ると、熱狂的なファンのみならず、多くの関係者の期待は究極まで高まります。

 ところが2015年3月12日に遂にベールを脱いだ『VAIO Phone』の詳細は、多くのファンの期待を裏切るものでした。… 続きを読む… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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