1杯500円!ローソンが発売したカウンターコーヒーが話題に!

 ローソンが1杯500円のカウンターコーヒーを発売して話題となっています。

 ローソンは、2018年12月11日より全国のローソンマチカフェ展開店舗で、『ティピカ スペシャルリザーブ パナマ・ベルリナ農園』の販売を開始したと発表しました。価格は通常のコーヒーが1杯100円なのに対して、そのなんと5倍となる1杯500円。

 今回発売されたスペシャルリザーブは、パナマ運河で名高い中米パナマ共和国のボケテ渓谷の高地に位置する伝統あるベルリナ農園で栽培された、樹齢100年以上のティピカ種の木から収穫したコーヒー豆を使用。ベルリナ農園は、ボケテ渓谷でコーヒー豆の栽培を始めてから100年以上の歴史がありますが、標高1500m以上のコーヒー園は昼夜の寒暖差が激しく、しっとりとした舌触りで柔らかくフローラルを思わせる香りが特徴のコーヒーを生み出す産地として有名です。

 通常、コーヒーの木の寿命は30年から40年といわれていることから、樹齢100年というのは世界に類を見ない希少価値のある木であり、年間収穫量はわずか2.7トンに過ぎませんが、このうちローソンが1トンを購入する契約を結ぶなど、ローソンのスペシャルリザーブに対する力の入れようが伺えます。

 ただ、ローソンは何も今回のスペシャルリザーブだけでなく、2018年には数カ月おきに高級コーヒーを投入してきました。

 2月には『パナマ ベイビー ゲイシャ』、6月には『ハワイアンクイーン農園 ハワイコナアイスコーヒー』、そして10月には『ブルーマウンテンNo1』と、世界中の産地から厳選したスペシャルコーヒーを“シングルオリジンシリーズ”として、1杯500円という高価格で展開してきたのです。

 コンビニ業界のライバルであるセブンイレブンやファミリーマートが1杯100円という低価格でカウンターコーヒーを展開するなか、なぜローソンは立て続けに高級コーヒーを投入するのでしょうか?

 今回はローソンのカウンターコーヒー戦略の裏側に迫っていきましょう。

 

成長が続くコンビニエンスストアのカウンターコーヒー

 それでは、ローソンの戦略を分析する前に、まずはコンビニエンスストアのカウンターコーヒーの歴史と市場規模を簡単に振り返ってみることにしましょう。

 コンビニコーヒー自体は1980年代から提供されていましたが、その流れを大きく変えたのが2013年からスタートした『セブンカフェ』でしょう。セブンイレブンは、2013年1月から1杯わずか100円で手軽に淹れ立てコーヒーが飲める『セブンカフェ』を開始。2013年7月には累計販売数が1億杯を超えるなど予想を大幅に上回るヒットを記録しました。そして、現在では年間10億杯以上の売り上げにまで成長してきたのです。

 このセブンカフェの爆発的なヒットに触発され、ライバルのローソンやファミリーマートも1杯100円のカウンターコーヒーを投入し“コンビニコーヒー戦争”が勃発したことから、市場は急成長。富士経済の試算によれば、現在では2,300億円を超える水準にまで達しているのです。

出典:富士経済

なぜローソンは500円コーヒーにこだわるのか?

 ライバルのセブンイレブンやファミリーマートが手軽に楽しめる1杯100円の淹れ立てコーヒーにこだわる中、なぜローソンだけが通常価格の5倍もする超高級コーヒーを投入し続けるのでしょうか?

 価格が価格だけに、セブンイレブンのような爆発的なヒットは望めないことは誰の目にも明らかです。

 その背景には主に次の2つの戦略的な背景が考えられます。… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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