堅調な成長が続く日本マクドナルド

 マクドナルドの好調が続いています。

 2018年8月9日に発表された2018年12月期の中間決算では、フランチャイズを含めた全店舗の売上高が2,545億円と前年同期に比べて9.2%増加しました。また、日本マクドナルドホールディングスの売上高は9.7%増の1,330億円、営業利益に至っては41.6%増加して133億円と、数字の上からも好調な業績が浮き彫りとなりました。

 2014年から不祥事が相次ぎ、2014年と2015年の決算では巨額の赤字を計上。一時期は経営不振のどん底をさまよいましたが、現在では完全復活し、33カ月連続とおよそ3年にわたって月次売上が前年同月比プラスを記録しています。

 マクドナルドの好調の要因としては、100円マックや200円のお手頃バーガー、200円からセットメニューを揃える『朝マック』、400円や500円といったワンコイン以下で買える『バリューランチ』、100円をプラスするだけでパティ(肉)が倍になる『夜マック』と定番メニューがしっかりと顧客の心を掴んでいることが挙げられます。

 さらに、毎月のように投入される期間限定の新商品や『マクドナルド総選挙』など顧客を巻き込んだイベントなどで長期にわたって顧客を飽きさせない仕掛けも功を奏しているといえるでしょう。

 今回はこのマクドナルドの好調の要因のうち、『夜マック』にフォーカスを当ててみたいと思います。

 

堅調な業績に大きく貢献する『夜マック』

『夜マック』とは、先ほどもお伝えしたように、毎日17時以降、通常価格に100円をプラスするだけでパティの量が2倍になるサービスです。ビックマックやてりやきマックバーガーなど、レギュラーメニューのみが対象ですが、たとえばビッグマックであれば、通常390円(単品、税込み)でパティが2枚のところ、100円をプラスするだけでパティが4枚となり、コストパフォーマンスが飛躍的に高まるところが人気の秘訣といえます。

 この『夜マック』はもともと2017年9月27日に東海地方の3県、愛知、三重、岐阜のマクドナルド全店舗で試験的に導入されました。マクドナルドとしては、過去のデータからボリュームのあるハンバーガーを夕方以降食べる人の多い東海地方にターゲットを絞ってテストマーケティングを実施してから次の展開を見極めようという戦略に打って出たというわけです。

 結果として、導入店舗での実績も申し分なく、他県での開始を望む声も大きくなったために、マクドナルドは2018年3月19日から対象を全国に広げて『夜マック』を展開します。

 この『夜マック』導入後の月次のセールスリポートを見れば、全店売上高が前年同月比9.7%増、既存店は客数が3.6%、客単価が6.2%増加し、売上高は10%増を記録するなど、業績に少なからずの影響を与えたことが読み解けます。

 このように『夜マック』は全店開始後、半年以上が経過しましたが、顧客を魅了して堅調な業績の牽引役として非常に大きな役割を果たしているといっても決して過言ではないでしょう。

 

なぜ、『夜マック』は業績アップに有効な戦略なのか?

 それでは、『夜マック』はマクドナルドの業績アップに関して具体的にはどのようなポイントが有効に働いているのでしょうか?… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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